ママは学生 育児、勉強奮闘中…函館短期大調理師学校の久保田さん

update 2008/6/6 13:28

 函館短期大学付設調理師専門学校(下野茂校長)で、“ママさん学生”が奮闘している。市内に住む久保田美佳さん(38)で、幼稚園児と小学2年の2児を育てながら製菓子、パン技術の習得に励み、7日から札幌市内で行われる「2008道洋菓子作品コンテスト大会」(道洋菓子協会主催)の同校代表4人のうちの1人にも選ばれた。久保田さんは「今後も育児と両立させながら料理の勉強をしたい」と話している。

 久保田さんは98年の結婚を機に仕事を辞め、家事や育児に専念していたが、子育てだけの生活に疲れ、子供が入学、入園した昨年春、「周りの環境を変えて何かに真剣に取り組みたい」と、長男の入園する函館短大付属幼稚園に隣接する同校の調理師科に入学した。

 「子供も自分も新しいスタートで不安だった」というが、「先生の熱心な指導や同期生たちの真剣に学ぶ姿勢に刺激を受けた」と話す。学業の傍ら家族のご飯支度や洗濯、掃除などをこなし、1年間通い続けて今春に調理師免許を取得。4月からは製菓衛生師科に進学した。

 同大会への参加は自分のレベルアップを目的に希望。ことしは同科61人中40人が手を挙げ、校内選考で参加者4人を決めた。参加する「ジュニアの部」は製菓を学ぶ道内の学生が対象で、アーモンドと砂糖をペースト状にした「マジパン」細工のデザインなどを競う。昨年は約130人が参加した。

 久保田さんの出品作品のテーマは「親子愛」で、幸せそうに子供に添い寝する母親が配されている。「どんなに忙しくても寝る前の読み聞かせは欠かさない」という久保田さんの子供に対する愛情が伝わる仕上がりだ。

 将来は「20代の時に留学したニュージーランドの人たちに料理を振る舞って恩返ししたい」という。「お母さんの笑顔が好き」と話す長男啓太郎ちゃん(5)に寄り添い、「まずは子供が独立するまでしっかり育てながら、自分の技術を生かせる場所で働きたい」と意気込んでいる。

提供 - 函館新聞社



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