疲れ癒す手作りの宿…日本一周した毛利さん、実家を改修

update 2008/6/5 09:53

 函館市日乃出町の毛利剛さん(64)がこのほど、自宅隣で空き家になっていた実家を改修し、旅人の宿「ゲストハウス自遊旅(じゆうたび)」を完成させた。自らも自転車で日本一周などを遂げた旅人の一人として、函館を訪れた“同志”たちに無料で寝床を提供。「自由にくつろいで気持ちを新たに函館を出発してもらえれば」と話している。

 ゲストハウスは自転車で日本一周をした2004年から構想を練り、2年前から徐々に改修し、5月上旬に出来上がった。改修の途中から全国の旅人が立ち寄り、すでに50人が利用している。布団4、5人分を用意しており、寝袋を使用すれば10人ぐらい宿泊できる。毛利さんは「旅人は屋根さえあれば、どこでも寝れるから」と笑う。

 木造平屋建てのゲストハウスには、酒を飲みながら語れる「いろり」のある居間や掘りごたつの部屋、寝室があり、トイレや洗濯機、冷蔵庫もそろっている。食事は出さないが、自炊できるように台所も設置。改修費は20万円で、大工経験のない毛利さんが、ホームセンターで材料を調達して外壁から内装まですべて手作りし、趣ある古民家風のたたずまいに仕上げた。

 函館出身の毛利さんは半導体製造会社を58歳で退職後、日本一周をはじめ、紀伊半島の熊野古道などを自転車で走破。土方歳三が箱館戦争の際に歩いたと思われる道を3年かけて調べ、昨年ついに森町から江差町まで約270キロを歩き通した。旅の道中、テントを張る場所探しに困った経験から、「自分もあちこちで人の世話になったので、何か恩返しをしたい」と思い、宿づくりに取り組んだ。

 訪れるのは20代の若者が中心で、徒歩や自転車でやってくる。彼らと酒を飲み、市内を案内して一緒に山で野宿することも。旅人仲間から「も〜さん」の愛称で親しまれる毛利さんは「北海道はテントを張れるキャンプ場がたくさんあって居心地がいい。ようやく北海道の入り口・函館に着いたという思いで来る旅人たちが、疲れを癒やせる場所にしたい」としている。

 予約が必要で、利用は徒歩や自転車などで函館を訪れた旅行者に限る。問い合わせは毛利さんTEL090・1648・1556。

提供 - 函館新聞社



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