早く釣り糸取って…電線に絡まったウミネコ 住民ら救助
update 2008/6/4 13:17
【知内】道南でも有数の好漁場で、釣りのメッカとして知られる知内町小谷石地区で5月中旬、くちばしから出た釣り糸が電線に絡まり、宙づり状態になったカモメ(通称ウミネコ)が見つかり、地域住民らが助け出す騒ぎがあったことが3日分かった。カモメは海辺に捨てられていたか、漂着した釣り糸を餌と見誤り、飲み込んだ可能性が高く、町では「釣り糸の処理は釣り人が責任を持って!」と、海釣り客に対してマナーの徹底を呼び掛けている。
小谷石町内会館近くの電線で、宙づり状態でもがくカモメが見つかったのは5月17日午後。住民が発見して木古内署涌元駐在所に届け出た。
翌18日正午ごろ、電線を管理する北電の作業員が工事用のクレーンに乗って「宙づり現場」に近づき、カモメを保護し、地上で飲み込んだ釣り糸を丁寧に取り外した。カモメは飛び立つ力もない様子で、飛び跳ねるように近くの川に行き、そこで水を飲んでしばらく休んでいたという。
関係者は「人間の身勝手な行動が動物の命を危険にさらしている」と怒りをあらわにし、町も広報誌6月号で「ウミネコの災難」という見出しを付け、この騒動を取り上げた。
知内町では同様の事案がここ30年間で約10件報告されている。町職員で日本野鳥の会会員の竹田徹夫さん(57)は「ウミネコは雑食性なので、釣り針に餌が少しでも付いていようものなら迷わず丸飲みしてしまう。針や糸を飲み込んだ鳥はもがき苦しむ」とその悲惨さを伝え、「釣りのごみにかかわらず、あらゆるごみのポイ捨て禁止を徹底することが急務」と話している。
提供 - 函館新聞社
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