函館も“たばこ離れ”加速…31日は「世界禁煙デー」
update 2008/5/29 13:48
公共施設の分煙化や禁煙タクシーの導入など、喫煙者を取り巻く環境は厳しさを増している。市立函館保健所が実施したアンケートによると、2006年の函館市内の喫煙者率(回答者に占める喫煙者の割合)は25・9%で、01年の前回調査時(36・7%)に比べて10・8ポイント減った。全国的に喫煙者数は減少傾向にあり、自動販売機への導入が義務づけられた成人識別ICカード「taspo(タスポ)」も“たばこ離れ”を加速させる要因となっている。31日の「世界禁煙デー」に合わせ、市内を含め各地で禁煙キャンペーンも展開される。
同保健所の喫煙者率は、無作為に選んだ15歳以上の市民約840人を対象にしたアンケート結果をまとめた。それによると、喫煙率は男性が37・0%、女性が17・5%。01年に行った同様の調査(約1700人対象)に比べ、男性は15・8ポイント、女性は5・0ポイントそれぞれ減少した。
日本たばこ産業(JT)がまとめた2007年5月現在の「全国たばこ喫煙者率調査」では、男性が40・2%、女性が12・7%で、合計は26%。同社は「喫煙率は毎年4%ずつ減少傾向にある」と話す。
受動喫煙の防止などをうたった健康増進法の施行(03年)などを背景に、企業や官公庁でも分煙化の動きが広まり、たばこ業界では未成年者の喫煙を防ぐためタスポを導入した。ただ、タスポは「面倒くさい」などの理由で一般利用者の申し込み手続きが進まず、17日現在で道内の普及率は22・8%にとどまっている。
市内のたばこ販売店では導入後、自販機の売り上げが2―5割に落ち込むケースも多く、函館地方たばこ販売協同組合は危機感を募らせ、企業を訪問してタスポの利用を呼び掛けるなどPRに躍起。タスポ導入に伴い、店舗内で購入するケースは増えているが、全体的な売り上げは下降線だ。
禁煙の個別相談や「おいしい空気の施設」推進事業などに取り組む渡島保健所は、「吸い続けるとがんや脳卒中などの発症リスクが増し、受動喫煙によって他人の健康まで害を及ぼす」と“警告”。市立函館保健所では31日―6月6日に1階ギャラリーで、パネルやビデオ上映など禁煙キャンペーンを実施する予定。喫煙者からは「分かっちゃいるけどやめられない」との声も聞かれるが、禁煙の動きはさらに広がりそうだ。(新目七恵)
世界禁煙デー WHO(世界保健機関)が1988年に制定。日本では6月6日までを「禁煙週間」と定めている。ことしのテーマは「若者へのたばこの売り込みを止めさせよう」。禁煙マラソンなどさまざまなキャンペーンが各地で展開される。
提供 - 函館新聞社
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