市民有志が赤い靴の女の子ブロンズ像を函館に建立へ
update 2008/5/28 13:52
童謡「赤い靴」(作詞・野口雨情)の女の子のモデルとされる岩崎きみちゃん(1902―11年)のブロンズ像を函館港に建立しようと、市民有志が準備を進めている。函館はきみちゃんが2年余りを過ごし、母親と別離したゆかりの地で、設立準備会の宮埼衛委員長(77)=湖月社長=は「歌の舞台となった歴史を伝え、親子のきずなの大切さを感じてもらえるようにしたい」と話している。函館港開港150周年に合わせて来年6月に設置する予定。
同準備会によると、静岡県で生まれたきみちゃんは1歳で母かよさんと本道に移住。市内東浜町(現末広町)の桟橋付近で約1年間共に暮らした後、市内の教会のアメリカ人宣教師夫妻の里子となった。1908年に同夫妻が米国に帰国することになり、離函していた母親と会うこともなく、同夫妻とともに函館港から上京。同夫妻は渡米したが、きみちゃんは都内の孤児院に預けられ、そこで死去した。
5年ほど前、童謡の誕生秘話を紹介した本を読んだ同準備会メンバーが事実を調べ直し、仲間を集めて像建立への準備を進めていた。像の制作は、函館出身の彫刻家小寺真知子さん(ローマ在住)に依頼しており、既にデザインは完成。台座を含めて高さ約165センチで、母親と別れて不安げな表情を浮かべている。
13日に函館近郊の会社員や大学教授ら約25人が準備会を発足。事業費約1500万円は協賛金や募金を募り、同様のデザインの小さな像も販売して賄う計画で、6月中には総会を開く。
大橋良平副委員長(62)=U建築事務所代表=は「失われつつある日本の童謡をよみがえらせ、親子の関係を見直すきっかけになれば」と話している。問い合わせは準備会事務局TEL0138・54・3755。
提供 - 函館新聞社
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