類家さん 最高位…国内屈指のピアノコンクール
update 2008/5/24 11:34
函館市出身でドイツのハノーファ音楽・演劇大学在学中の類家唯(るいけ・ゆい)さん(23)がこのほど、神奈川県横須賀市で行われた「第2回野島稔・よこすかピアノコンクール」で最高位の第2位(1位なし)に輝いた。類家さんは「本選の9人に選ばれただけでも信じられなかったのに、まさか最高位を受賞するとは思っていなかった。この結果を自信にして自分の音楽性を磨いていきたい」と話している。
4歳からピアノを始めた類家さんは、函館市青少年芸術奨励賞の金賞を函館付属中3年時と函館東高3年時の合わせて2回受賞するなど、早くから豊かな才能を発揮。京都市立芸術大学在学中の2007年には、千葉県木更津市で行われた「第6回かずさアカデミア音楽コンクール」のピアノ部門で優勝。同年秋からドイツ留学しているが、今年6月に行われるかずさコンクールの受賞記念演奏会に出演するため今月上旬に帰国。よこすかピアノコンクールには、帰国中の力試しの意味で出場することを決めた。
同コンクールは世界的なピアニスト・野島稔さんを審査委員長に、神谷育代さん、野平一郎さん、迫昭嘉さんなど第一線で活躍するピアニストが審査員を努めており、国内でも屈指の難関として知られる。類家さんは「昨年のかずさコンクールに比べても参加者のレベルが高かったので、予選を通過できるかどうか不安だった」と振り返る。
しかし、テープ審査を通過した73人による第1次審査、27人がベートーベンのソナタで競う第2次審査を見事にクリアし本選の9人に残った類家さん。30分の持ち時間内に演奏者本人が自由に作品を選択できる本選では、JSバッハ作曲の「平均律クラヴィーア曲集第1巻から第12曲ヘ短調」と、ラフマニノフ作曲の「ピアノソナタ第2番変ロ短調」を演奏した。中でも類家さんがもっとも強い興味を抱いているラフマニノフの作品は「大勢の観客を前に楽しんで弾くことができた」と会心の出来栄えで、埼玉県出身の濱野与志男さん(19)と最高位の2位を分け合った。
審査委員長の野島氏から個性的な演奏スタイルと音楽性について高い評価を受けた類家さんだが、実はコンクール直前に体調を崩し一時は出場を辞退することも考えたという。類家さんは「あきらめずに挑戦してよかった。来年は受賞記念のリサイタルにも出演できる。1時間半のプログラムで何を演奏するか今からじっくり考えたい」と喜びをかみしめる。
6月8日に行われる、かずさコンクールの受賞記念コンサートではチャイコフスキー作曲のピアノ協奏曲第1番に挑戦。プロのオーケストラと共演するのは初めての経験だが「今回のコンクールでの経験を生かして、力いっぱい弾ききりたい」と気合は高まる。
現在函館市内の実家に滞在中の類家さんは「近いうちに函館でリサイタルを開き今までお世話になってきた人たちに恩返しがしたい。そのためにはまだまだ自分の音楽性を高めていきたい」と意欲を見せている。
提供 - 函館新聞社
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