捜査の可視化へ 地検が取り調べ録音・録画機器公開

update 2008/5/23 12:14

 1年後の来年5月に導入が迫る裁判員制度を見据え、函館地検は22日、容疑者の取り調べを録音・録画する機器を報道機関に公開した。同地検は裁判員裁判の対象事件で順次利用する方針で、これまで「密室」で行われてきた取り調べ状況が可視化され、一般市民から選ばれる裁判員にも分かりやすい真相解明が期待される。

 録音・録画は、裁判員裁判の対象となる殺人や傷害致死などの重大事件のうち、公判で自白の任意性、信用性が争われる場合に、記録したDVDが証拠として利用される。東京や大阪など都市部の14地検では06年7月から先行して試行が進んでおり、実際に証拠として提出されたケースもあるという。

 録音・録画には容疑者の同意が必要。同意があれば、取調室で検察官の背後に置かれた2台のカメラで容疑者の表情と取調室の全景を音声付きの動画として撮影する。2つの映像が立会事務官のパソコン画面に映し出され、撮影時刻とともに表示される仕組みだ。法務省によると、設置費用は1基当たり約195万円。

 同地検ではことし初めから、札幌高検主催の研修会などで模擬の取り調べを行い、録音・録画の効果と問題点の洗い出しを進めている。同地検の中屋利洋検事正は「これまで自白の任意性の立証には長い時間を要したが、視覚や聴覚に訴えることで裁判員にも判断しやすくなるはず。裁判員の負担が少しでも軽減され、検察官の捜査能力の向上にもつながれば」と話している。 

提供 - 函館新聞社



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