仏軍艦 函館港に入港
update 2008/5/22 14:50
フランス海軍の試験・測定艦「デュプイ・ド・ローム」(4500トン)が21日、函館港の港町ふ頭に寄港した。仏軍艦の訪日は1961年から通算50回目、函館入港は2006年5月以来4回目。海上自衛隊函館基地隊と函館日仏協会(関口昭平会長)による入港式典がふ頭で開かれ、艦長のアンリ・ダグラン海軍中佐ら乗組員約100人を歓迎した。一方で、非核・平和函館市民条例を実現する会など市民団体や労組関係者ら約50人が、岸壁ゲート付近で函館港の軍港化を危ぐする反対集会を開いたほか、艦長あてに抗議文を提出した。
入港式典で関口会長は「市民も歓迎している。リラックスして楽しんでほしい」と述べ、ダグラン艦長は「日本の地を踏むことができてうれしい。(1855年のシビル号事件では)函館の人に親切にしてもらった。長い時間はたっているが仏海軍は忘れてはいない」とあいさつした。
一方、市民団体の反対集会には民主党の道議らも参加。連合函館地区連合会の渡部正一郎会長は「歴史と伝統のある函館港は市民の誇り。戦争の道具となるのは断じて許し難い」と訴えた。実現する会の徳永好治共同代表も「市民感情を逆なでする行為。平和な函館港を守る」などと抗議。参加者らは「軍艦による親善はまやかしだ」「函館から出て行け」などとシュプレヒコールを上げた。
港湾管理者の函館市は、高橋良弘港湾空港部長が「核兵器廃絶平和都市宣言文」を手渡して趣旨を説明。ダグラン艦長は「(宣言文には)正当性があり、日本が経験した苦しい歴史の果実であると考える。仏海軍の意向は世界の恒久平和に貢献することだ」と述べた。同日午後、市役所で西尾正範市長と懇談したダグラン艦長は、同艦の装備には、自艦を防衛する以外の兵器は搭載していないことを明言した。
同艦は25日午前10時まで滞在を予定。乗員らは外国人墓地訪問やスポーツ交流などを予定している。警備上の問題から、一般市民は岸壁に近づくことはできない。
提供 - 函館新聞社
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