33年間民生・児童委員努めた坂さんに厚生労働大臣特別表彰
update 2008/5/21 14:19
【木古内】木古内町本町251の坂秀隆さん(75)は、1974(昭和49)年11月から昨年11月まで33年間にわたり、民生・児童委員を務めた。独居老人への定期的訪問をはじめ、買い物や官庁への事務諸手続きなどの支援を必要とする町民を世話しながら、地域を支えてきた。坂さんが営む「さか理容院」には活動をたたえる計6枚の感謝状が並んでいる。3月には舛添要一厚生労働大臣からも特別表彰を受け、「自分だけの力ではなく、地域住民の協力と家族の理解があったからこそ続けられた。感謝状は苦楽をともにした町民との絆(きずな)の結晶」と笑顔を見せる。
坂さんは樺太出身で、戦後、函館に家族で引き揚げてきた。地元の高校を卒業後、理容師の見習いを経て22歳で理容師の国家試験を取得し、知人の紹介で木古内に理容店を開業した。
町内で知り合った絹子さん(72)と結婚し、娘2人にも恵まれ、仕事の傍ら20年間、寝たきりだった絹子さんの父親の介護にも当たった。
こうした介護の様子を知った当時の町議や役場関係者から民生・児童委員に就くことを勧められた。「前任者から『中途半端な気持ちではやるな』と言われ、責任の重さを感じた」と振り返る。
同委員は24時間対応しなければならず、家族は当初、「体を壊すのではないか」「本業がおろそかになるのでは」などと心配したが、常連客からも「坂さんだから出来る大役だ」と励まされたという。
台風や地震があったときは、担当する124戸の住民の安否確認に回った。「いまでも救急車の音がするとすぐ外に出てしまう」と笑う。
お年寄りには春と秋、「お元気ですか?」「過ごしやすい季節を迎えました」など、手書きの手紙を送り、休日は趣味のハーモニカを演奏して交流した。
坂さんは「あっという間に年月が過ぎて自分自身も高齢となった。多くの人との素晴らしい触れ合いがあった」と充実した活動の日々に満足している。
提供 - 函館新聞社
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