函館市史通説編のデジタル化修了、第4巻もHP公開

update 2008/5/18 16:56

 函館市が進めてきた市史通説編全4巻のデジタル化がこのほど終わり、市のホームページ(HP)で公開している。新しく公開された第4巻では「戦後の函館の歩み」と、敗戦から復興、成長、転換を象徴する話題を取り上げたコラム64本を紹介している。

 第4巻は、連合国軍の函館進駐から始まり、市長公選、北洋漁業の再開、労働運動の展開、高度成長期の市財政、北洋母船式サケ・マス漁業の変容、商業・流通業界の変化などについて詳述している。戦後の教育、文化、宗教の諸相も伝えている。

 コラムは、通史で書ききれないトピック的なことを、写真や図版を多用し、親しみややすい文章で記している。「樺太引揚者を迎えた港」「函館山と観光」「北洋博覧会の開催」「オイルショックと狂乱物価」「ソ連戦闘機ミグ25事件」などの話題や事件を取り上げた。

 作業は旧市史編さん室の元編集員で、現在は中央図書館で古地図などのデジタル化を進めている奥野進さんが担当した。奥野さんは「市史はさまざまな歴史事項を調べる概説書。検索でヒットした史料の出典も明記しており、それらの史料を図書館で閲覧し、研究を深めることができる」と話している。

 同図書館所蔵の古地図などのデジタル化と合わせ、市史亀田市編のデジタル化も進めており、相互にリンクすることで研究や調査の幅が広がることが期待されている。

 市史通説編は、第1巻を2006年4月にHPで公開してから、ほぼ2年で全巻公開を終了した。市のトップページから「教育・文化・スポーツ」の項に進むと『函館市史』デジタル版がある。

提供 - 函館新聞社



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