支庁再編…揺れる道議会自民党
update 2008/5/17 14:30
【江差】道の支庁制度改革をめぐり、知事与党の道議会自民党は、6月10日開会予定の第2回定例道議会への条例提案を容認する方向で会派内の取りまとめを進めている。しかし党内では、廃止対象の支庁区選出の道議が会派離脱も辞さない姿勢を示すなど、調整は難航している。桧山支庁の存続を求める管内の自民党員も、知事のかたくなな態度を懸念。衆院選も見据え、有権者の離反が加速することを恐れている。
「地方を敵に回して選挙に勝てると思うな」―。ある首長がつぶやいた。道町村会、道市長会などの4団体は13日、道と道議会5会派に再編案の見直しを要請した。ところが足並みをそろえた要請行動に対し、高橋知事は主張を変えず、地方側の不信感を増幅させた。
矛先は、知事与党として、条例提案を容認する方向で調整している道議会自民党にも向く。原田裕議員会長らと会談した、泉亭俊彦石狩管内当別町長は、後期高齢者医療制度をめぐる政府の混乱を引き合いに「知事側近だけで話を進めてはいないか。支持者として懸念する」とクギを差した。
自民党は14日、高橋知事に(1)道庁組織全体の徹底的見直し(2)支庁長への予算や組織編成権の付与(3)9総合振興局案と14支庁体制による行財政改革の効果比較(4)市町村との早急な意見交換―などを要望。条例提案を了承する前提で、道側の回答を待って会派の方針を最終決定するが、調整は容易ではない。
道議会の議席数は106(欠員1)。自民党(51人)と公明党(7人)で過半数を上回る58議席を確保。支庁再編に反対する民主党(40人)、共産党(2人)、フロンティア(5人)は47議席だ。
過半数を確保する与党会派だが、足元は盤石ではない。「議長を除き6人が造反すれば与野党が逆転する」(関係者)。自民党では、廃止対象の支庁区選出の道議が会派離脱や造反を示唆。再編に慎重な姿勢を示す道議も10人前後に達し、会派分裂の事態を避けたい幹部が説得を続けている。
だが、衆院の解散が現実味を帯びる中、自民党関係者は「条例提案を契機に地方の反対運動が激化するのは必至だ。本当に可決に持ち込むことができるのか。会派分裂や採決強行のマイナスイメージは地方の自民党にとって痛手」と懸念する。桧山管内の自民党支持者からも「民主党の格好の攻撃材料。地方の1票でも取りこぼすことができない選挙情勢を理解しているのか」との声が聞かれる。
提供 - 函館新聞社
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