函館市内でもバター不足深刻

update 2008/5/16 13:12

 全国的なバター不足の影響が、函館市内でも広がっている。スーパーでは品薄状態が続き、消費者は「ないと不便」「いつまで続くの」と困惑気味。大量に使うパン屋では代用品に切り替えるケースも出始め、小麦など相次ぐ原材料の高騰の影響もあり、「値上げせざるを得ない」との悲鳴も上がっている。

 農林水産省によると、今回のバター不足は昨年の生産調整で国産生乳が削減された上、猛暑で生産量がさらに減少、国際的なバターひっ迫で国内需要が増えたことなどが要因。同省は4月末、乳業大手4社にバターの増産を要請、約230トンの増産が決まったが、飼料高騰などで酪農家も増産しにくく、改善の見通しはまだ立っていない。

 函館近郊で店舗展開する地元スーパーでは4月から品薄が顕著になった。現在客1人につき1個の購入制限を設けて対応しており、担当者は「納入量は昨年の8割程度」と明かす。市内大型店では道内店舗の数量調整から納品は月1度だけに。主力商品は納品後2週間ほどで品切れになる場合もあり、品薄をわびる張り紙で理解を求めている。買い物に訪れた主婦谷口朝海さん(60)は「今は買い置き分があるけれど、料理に使うのになくなると困る」と話していた。

 函館近郊のパン店などでつくる「焼きたてパン研究会」の川村清司会長(63)は「ほとんど手に入らない状況で代用品を使う店もある。小麦や生クリームも軒並み値上がりしており、今後は価格改定も検討せざるを得ない状況」と心配する。

 バター不足の影響は学校給食にも広がっている。道央圏を中心とした小、中学校に食材を提供する道学校給食会(札幌)は、献立で使用量を工夫するよう異例の要請を行った。北斗市学校給食共同調理場の沢村静夫所長も「今はまだ需要分を確保しているが、今後は代用品での対応も必要になる」と話している。

提供 - 函館新聞社



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