がん診療体制を強化…市立函館病院
update 2008/5/16 13:11
市立函館病院(函館市港町1、吉川修身院長)は「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けたことに伴い、本年度からがん診療に関わる体制を強化している。肺がんや乳がんに特化した治療を行うため、「呼吸器外科」「乳腺外科」といった専門科を新設したほか、道内で初となる「放射線治療科」を新たに設けた。治療方針に納得できず複数の医療機関を巡る「がん難民」の増加が全国的な問題となる中、吉川院長は「がん難民の解消には情報開示、相談窓口などの設置が有効。医師の診療レベル向上と地域連携体制の整備を進め、拠点病院としての使命を果たしていきたい」としている。
同病院は昨年1月、厚生労働省から同拠点病院の指定を受け、地域のがん医療体制の整備や人材育成、情報公開などの役割を担うことになった。公開講座の定期的な開講や相談支援センターの設置、診療成績の集計・公開などの取り組みは進めていたが、今年に入って医師の確保や設備投資に目途が立ったことから、専門的な診療体制の整備に着手した。
呼吸器外科は心臓血管外科から、乳腺外科は外科からそれぞれ分離。呼吸器外科は増加傾向にある肺がん治療に対応し、胸の中を見る「胸腔鏡」を使う手術例がここ数年で倍増していることから専門医を配置した。乳腺外科は乳がんの術後に起こりやすいリンパ浮腫の軽減など、専属の医師による長期的な診療に対応する。
放射線治療科は放射線科から分離。これまでは3人が診断と治療を兼務しながら行っていたが、治療を専門とする医師を配置した。がん患者の治療方針などについて意見交換、検討し、放射線治療医の意見も取り入れる狙いがある。治療科新設をきっかけに、放射線治療の新機器の導入も検討している。
大学からの派遣医師で外来診療のみ開設していた産婦人科に4月から常勤医を配置し、がん検診の充実と同時に、卵巣腫瘍(しゅよう)などの手術も可能となった。吉川院長は「相談支援センターの強化や、がん患者の会などの設立も働き掛けていきたい」と話した。
提供 - 函館新聞社
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