世界的ピアニスト、ジョン・カミツカさん24日公演
update 2008/5/10 15:39
世界的なピアノ奏者ジョン・カミツカさん(米国)が、函館で進められている出版活動を支援する。24日午後2時から函館市民会館(湯川町1)大ホールで開かれる「平和ピアノリサイタル」に出演し、収益金は第2次世界大戦末期の沖縄戦を主題にした絵本「おきなわ 島のこえ」(小峰書店=東京)の英訳本出版支援として送られる。同リサイタルには函館音楽協会会長でマリンバ奏者の市川須磨子さんらも共演する。
このリサイタルは、函館ラ・サール中学・高校のカナダ人教師ピーター・ハウレットさんらで作る同本出版プロジェクトが主催。「おきなわ 島のこえ」は、丸木俊、位里夫妻(ともに故人)が沖縄の人たちの視点で第二次世界大戦の沖縄戦を書いたもの。同プロジェクトは同絵本を英訳本にし、米国など英語圏の平和団体に寄付することを目指している。
カミツカさんは日系3世、2―9歳を札幌で過ごした。現在はニューヨークのカーネギー・ホールで20年連続リサイタルを開くなど米国が誇る演奏家。ハウレットさんとは幼なじみの仲だが、今回のリサイタルは函館のピアノ奏者吉田淳子さんが同プロジェクトの運動に共感し、日本ショパン協会の活動で縁があったカミツカさんに本を紹介して出演を依頼した。カミツカさんは「沖縄の人が信じ難い苦難を負っていることを知った。この本は過去の惨劇を忘れず、戦争を繰り返さない平和教育に用いられるべき」と快諾。吉田さんは「カミツカさんは名声ではなく良い演奏の機会を求める人。これまでも函館で公演はあるが、まったく違うものになる」と話す。
カミツカさんは演奏曲にバッハの「コンチェルト ニ短調 BWV1052」を選ぶ際、吉田さんと縁のある市川さん共演を求めた。市川さんは「偉大なピアノ奏者がマリンバに興味を持ってくれ光栄」と喜び、引き受けた。同じく市内のマリンバ奏者三浦浩平さんも出演する。「初めての曲だが、ピアノソロにマリンバの伴奏をするのは例がないのでは。貴重なリサイタルになる」と市川さん。
ハウレットさんは「音楽と友情が一つになり、この本を世界に送り出してくれると思う」と期待を話している。入場料は大人2000円、65歳以上1500円、小中高生は500円。チケットは市民会館、市芸術ホール、松柏堂各店などで発売中。公演の問い合わせは同プロジェクト事務局TEL080・5595・2917。
提供 - 函館新聞社
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