「公正な論評の範囲内」…前市長名誉棄損訴訟の初弁論
update 2008/5/9 13:16
昨年4月の函館市長選に絡んだ言動をめぐり、著しく名誉を傷付けられたとして、落選した井上博司前市長(71)が現市長の西尾正範氏(59)を相手取り、慰謝料など1100万円の損害賠償と新聞への謝罪広告を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、函館地裁(東海林保裁判長)で開かれた。
西尾氏側は「選挙期間中の言論は、原告個人の社会的評価を低下させるような事実はなく、名誉棄損に当たらない。人格攻撃を行ったものではなく、公正な論評の範囲内」などとし、請求の棄却を求める答弁書を提出、全面的に争う構えを示した。
訴状などによると、西尾氏が助役時代の2006年12月と辞任後の07年1月に記者会見した際、(1)原則として許可されない市街化調整区域への有料老人ホーム建設計画をめぐり、井上氏が担当職員に再検討を指示した(2)井上氏が地元情報誌と癒着し、その主宰者が市政運営に関与している―と指摘。市長選前の同4月11日の集会で、(3)井上氏を時代劇になぞらえて「悪代官」と称して批判したことなどが名誉棄損に当たると主張している。
答弁書によると、西尾氏は「悪代官発言」を認める一方、当時の井上氏の周辺人物を同様に時代劇に例えた発言については否認。西尾氏側の代理人弁護士は「いつどこで発言した内容が具体的に名誉棄損に当たるのか不明な点が多い」とした。
これに対し、原告側の代理人弁護士は「西尾氏は市議会でも(時代劇に例えた)発言を認めているのに、ここに来てなぜ否認に転じるのか。その点も含め、井上氏の社会的評価を下げたことを弁論で明らかにしていく」と語った。次回期日は7月4日。
提供 - 函館新聞社
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