道の対応「越権行為」…イカゴロ問題・町が見解公表

update 2008/5/9 13:15

 【乙部】乙部町内の漁業者を中心に実施しているイカゴロ(イカ内臓)の海中循環試験をめぐり、寺島光一郎乙部町長は8日、3月末に試験の中止を求めた道の対応が「法的根拠に基づかない越権行為」とし、責任の所在や問題の経緯を明らかにするよう求める見解を公表した。町は道独自の法解釈に基づく通達などで、同様の試験を他の市町村でも規制していないか調査するよう求めた。

 この見解を受けて漁業者は、3月から中断しているイカゴロの海中投入を近日中に再開する方針。町は(1)道の規制は環境省などの法解釈を逸脱している(2)道に試験を許認可したり中止を求める権限が無い―とし、道が試験中止を求めたのは不適切と指摘。さらに、道が法的根拠を持たないまま独自の通達や基準に基づき、他の市町村でも、漁業者が実施を求める同様の試験を規制している実態が無いか確認するよう要求した。

 町は4月3日に支庁再編をめぐる寺島町長らとの会談で、法的根拠を確認せずにイカゴロを活用した試験を「違法」と断言した佐藤俊夫副知事の責任も追及。寺島町長は「規制に風穴を開けるために政治生命を懸けてきた。イカゴロを活用した試験が最終的に違法と判断されれば町長を辞職して責任を取る」とし、道に対しても佐藤副知事の責任問題を明確にするよう求めている。

 この問題をめぐっては4月、高橋はるみ知事が漁業者に陳謝し、試験継続への支援を確約した。道は漁業者が実施する同様の試験事業について、海洋汚染防止法などに基づき、道が法的拘束力を持って規制したり許認可を行う権限が無いことを確認。4月18日に全面改正したばかりの水産林務部長通達についても「今後は行政指導の範囲で対応する」(同部)として再度見直し、従来の試験で水質汚濁などの影響が認められなかったイカゴロに限り、今後は漁業者の届け出制による試験実施を容認する方針を固めた。

提供 - 函館新聞社



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