元函病副院長・小沢正則さん JICAシニア海外ボランティアでモロッコへ
update 2007/3/22 13:14
元市立函館病院副院長の小沢正則さん(66)=函館市花園町=が、国際協力機構(JICA)のシニア海外ボランティアとして、北アフリカのモロッコで2年間、病院経営管理の指導をする。26日の出発を前に20日、函館市の工藤寿樹助役を訪問し、「医師としての使命を果たし、モロッコの医療供給体制の構築に役立ちたい」と抱負を述べた。
小沢さんは仙台市生まれで弘前大学医学部卒。同大医学部研究室に1986年9月まで勤務し、翌10月から市立函館病院に移った。外科科長を経て、96年4月から昨年3月末の退職まで副院長を務め、主に病院経営管理の業務に当たった。
定年退職後も「体力が許す限りは第一線で働きたい」と考えていた折、JICAのシニア海外ボランティアの募集を目にした。これまでとは環境が全く異なる地だが、人々の健康を守り、疾病の治療に当たる好機と考え応募したという。
医療制度の関係で診察や治療はできないが、経験を買われて病院経営管理の指導に従事することになった。「住民に親しまれる一番の道である医療行為ができないのは残念だが、人々の役に立つという気持ちで満足できる」と語る。
配属されるのは首都ラバトから東へ約220キロ離れたエルバジャブ県総合クリニック。45床、職員100人以上の病院で、同県の人口22万人に対応するという。業務内容は、病院経営管理や人事管理システム、総務管理システムの構築に関する病院長や幹部への助言。公用語はフランス語だが、医師は英語が通じるため、安心している。
ボランティアのため、生活費のほかは無報酬。妻が3年前に亡くなり、娘3人も自立したため、単身でモロッコに渡る。工藤助役は「大変な決心。健康に留意し2年間活躍され、帰国後も函館で再度、培った経験を発揮してください」と激励した。小沢さんは「草の根的な個人個人の努力が両国の相互理解に有効で、今回の派遣を通して世界平和にも寄与したい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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