支庁再編 狭まる包囲網…道・道議会の最終決断は?

update 2008/5/3 13:10

 【江差】道の支庁制度改革に対する包囲網が急速に狭まっている。改革のメリットが無い再編案に道町村会をはじめ地方は猛反発。反対の火の手は全道に広がっている。道は地方を納得させる修正案も提示できず手詰まりの状態。条例提案の最後のチャンスとなる6月の定例道議会を“背水の陣”で臨む高橋はるみ知事は連休明けの最終判断を迫られている。

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 「こんな振興局ならいらない」。1日に開かれた桧山町村会と町村議会議長会の緊急合同総会の席上で高橋貞光せたな町長が語った。支庁存続運動から一線を画してきた檜山北部の首長による踏み込んだ発言に、江差町関係者は驚きの声を上げた。

 江差町にとって“オール桧山”の存続運動は悲願だった。だが、人口減少や経済的打撃に比重を置く運動に対する他町の視線は厳しい。地域エゴを排除して、広く道民の支持が得られる運動への脱皮が課題だった。管内全町の支援を得た濱谷一治江差町長は「支庁再編は全道の課題だ。全道の市町村と共同歩調で決戦に臨む」と語る。町村会・議長会と産業団体は結束して、再編案の撤回と条例提案の断念を道に迫る構えだ。

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 14支庁を9総合振興局に再編する道の最終案。桧山支庁など5支庁は窓口業務中心の振興局に格下げする。「道庁―支庁」だった事務の流れは「道庁―総合振興局―振興局」の3重構造になる。3つの総合振興局を置く道央では、地域間の政策調整も必要になり「支庁再編は弊害こそあれ恩恵がある市町村はどこにもない」(寺島光一郎乙部町長)のが現状だ。

 道は5月に入り、振興局を置く地域に幹部を派遣して(1)地域づくりや産業担当のスタッフ配置(2)土木現業所の機能維持(3)地域事情に応じた職員配置(4)3年程度の段階的な職員削減―などの条件を示し、支庁再編への理解を求めている。だが、地方側は「考慮に値しない内容。条例提案へのアリバイ作り」と冷淡だ。

 2009年度の新支庁体制発足を目指す道にとって、6月の第2回定例道議会は条例提案の最後のチャンスだ。高橋知事は、地方の猛反発を押し切ってでも条例提案に踏み切るかどうか、連休明けにも最終判断を迫られる。だが、知事与党の自民党・道民会議は慎重姿勢のまま。13日には道町村会、道町村議会議長会、道市長会、道市議会議長会が足並みをそろえて支庁再編反対を知事に申し入れる。包囲網が狭まる中での政治決断が注目される。

提供 - 函館新聞社



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