ガソリン税復活、ガソリン大幅値上げへ

update 2008/5/1 12:04

 租税特別措置法改正案が30日、衆院本会議で再可決、成立したことを受け、揮発油(ガソリン)税などの暫定税率が5月1日から復活することが決まった。これによって5月以降のガソリン価格の大幅値上げは避けられず、30日には安いうちに給油しようと函館はじめ各地の給油所で車が列を作った。

 暫定税率廃止による値下げからわずか1カ月でのガソリン再値上げは、税率分の約25円に原油卸価格上昇分も含め約30円程度になる見通し。これまでの最高値を更新する可能性もでてきた。

 函館市内でも29日前後から駆け込み給油による車の列が目立つようになり、五稜郭駅近くのスタンドでは30日、「例年の3倍の利用者が訪れており、深夜まで在庫が足りるか微妙な状況」(同店店主)。ただ利用客の中には「いつもはタンクが空に近くなってから給油するが、今日は数リットルだけでも安いうちに入れたかった」(函館市の男性会社員=46=)と、少量給油する人が目立っていた。

 ガソリン値上げの時期については、各店舗とも頭を悩ませている。道南を中心にチェーン展開する業者は「4月の時は、3月中の在庫がなくなってから値下げする予定だったが、周辺店が1日から一斉に値段を下げたのであわてて追随することになった。今回も4月分の在庫がなくなった段階ですぐ値上げしたいが、先頭を切って上げると、値段の高いイメージがついてしまう」と話す。

 市民には、値下げの時に比べ強い抵抗感が見られる。函館市の無職男性(65)は「一度下がったものを再び上げるのは納得いかない。まずは税金の無駄遣いをしっかりと正してほしい」と話す。また市内の会社員男性(52)は「公共交通機関が万全でない地方の場合、日常の移動手段として車は不可欠。道路の整備も大切だが、政府はガソリンの値段安定にも真剣に取り組んでほしい」と訴える。

 一方、各自治体や関係業者などは暫定税率復活にひと息つきながらも、先行きへの不安は拭いきれない。函館市の場合、本年度は道路、街路整備の交付金事業として、西桔梗中央線や昭和団地通整備など予算は15億7600万円。そのうち8億1600万円が揮発油税を原資とする国庫補助金で賄われている。

 市土木部は、特定財源確保をめぐり、1カ月間の空白ができたことで、工期の遅れなど“時間のずれ”を懸念。各事業は年度内の完了を目指すが「国から確たるものがない状況では工事の発注もできない。工期が1―2カ月間ずれることも出てくる。市道だけではなく、国道や道道の整備も含め業者にも影響や戸惑いがあったのではないか」と危ぐする。また、今後の一般財源化の動きには「国の流れに沿うしかないが、動向を注視しなければならない」としている。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです