愛情あふれる1066通…「夫婦桜」命名記念 夫婦の手紙全国コン

update 2008/4/30 14:10

 【松前】サクラの名所松前公園では、ことしもサクラが満開を迎えた。松前城近くで肩を寄せるように仲むつまじく咲く巨木のサクラは昨年5月、「夫婦(めおと)桜」と命名された。この命名記念に実施された「『夫婦の手紙』全国コンクール」(実行委主催)の審査会がこのほど、松前町民総合センターで行われ、応募総数1066通から、他界した伴侶に変わらぬ愛情を寄せた金沢市の西森茂夫さん(84)の作品が最優秀賞に輝いた。入賞作品は5月11日午前11時から、夫婦桜の下で朗読される。

 ソメイヨシノと八重ザクラを接ぎ木した夫婦桜は樹齢75年。一重と八重のサクラが太い1本の樹木で結ばれ、長い間町民らに大事に扱われてきた。命名後、町は国内でも貴重なサクラを全国に広くPRしようと、昨年11月に同コンクールの実行委を立ち上げた。疋田清美実行委員長(松前観光協会長)を中心に、商店街のメンバーや町職員らが準備に取り組んだ。

 町のホームページでも周知した結果、国内各地はもとより、米国からも「手紙」が届いた。一様に「開催趣旨に共感した」という温かな励ましの声も添えられていた。

 審査会には町民100人が参加。2人1組で作品を読んで審査を進めたが、心の琴線に触れる作品が多く、会場ではすすり泣く町民の姿が見られた。実行委員の一人、町職員の小川佳紀さんは「こんなに感動するとは思わなかった。涙が止まらない」と目頭を押さえていた。

 最優秀賞の西森さんの作品の題名は「亡き妻へ」。サクラが好きだった妻が5年前にガンで入院する際、「ここの桜はきれいね。今年は見られないかも」と話し、2カ月後にそれが現実になったこと、サクラ並木で偶然出会った妻の妹が在りし日の妻の姿と重なったことなどをつづり、「ぼくの妻はきみだけ。天国にも桜は咲いていますか」と問い掛け、締めくくっている。

 応募作品の一部を集めて本にする計画もあり、実行委は「この感動を多くの人と共有したい」としている。朗読発表会は誰でも参加できる。問い合わせは実行委(町役場内)TEL0139・42・2275。

提供 - 函館新聞社



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