市民団体 経産省に異議申立てへ…大間原発設置許可
update 2008/4/25 11:44
経済産業省が電源開発(本社・東京)に対して、大間原発(青森県大間町)の原子炉設置を許可したことを受けて24日、同原発建設に反対する函館市の市民団体「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表らが市役所内で記者会見し、経産省に取り消しを求める異議申し立てを行うことを明らかにした。異議申立人となる原告団メンバーの募集も同日から始めた。経産省の対応によっては、国と電源開発を相手に、同原発の建設差し止めや原子炉設置許可の取り消しなどを求める訴訟を起こす構え。
会見には竹田代表のほか、中森司副代表、大場一雄事務局長が出席。竹田代表は「原発の建設は地球環境を大切にしようとする時代に逆行する行為。今回の決定は未来や命に対する暴挙」と怒りをあらわにし、同日付で経産省に抗議文を送付したことを明らかにした。
6月下旬までに異議申し立て書を経産省に提出するが、5月末まで20歳以上を対象に異議申立人を1000人以上募る考えで、委任状への署名と押印の協力を求める。竹田代表は「原発を稼動させないよう国や電源開発に求めていく。多くの賛同者を募りたい」としている。
異議申し立てが却下された場合、電源開発に対しては原子炉の建設差し止めの民事訴訟を函館地裁で、国に対して処分取り消しの行政訴訟を青森地裁で起こす方針だ。
同会は2006年12月、「訴訟準備会」として発足したが、設置許可の正式決定を受けて同日、「訴訟の会」に名称を改めた。
西尾正範市長は同日の記者会見で「非常に難しい問題。国は安全性に問題がないとの見解だが、事故が発生した際の避難、観光や水産物への風評被害などが大きな課題。国や道と連携して情報収集などに当たり、住民の不安が解消されるよう電源開発や関係機関に働き掛けていきたい」と述べた。同原発が世界で初めてのフルモックス燃料(ウランとプルトニウムの混合燃料)を使用することも懸念材料との考えを示した。
電源開発は5月にも着工し、2012年3月の運転開始を目指している。
提供 - 函館新聞社
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