経産省 大間原発を設置許可…函館でも賛否両論

update 2008/4/24 10:04

 経済産業省原子力安全・保安院は23日、電源開発(東京)が申請していた青森県大間町の大間原子力発電所(改良型沸騰水型軽水炉1基、出力138万3000キロワット)の設置を許可した。同町から津軽海峡を挟んで約20キロ離れた函館市や近隣市町でも設置の許可をめぐり、賛否が分かれている。

 同原発の反対を唱えてきた大間原発訴訟準備会の竹田とし子代表は昨年12月、約6万5000人の反対署名を集め、経産省に提出したが、「多くの人たちの声を無視した決定。非常に残念」と唇をかんだ。これまで通り運動を継続する方針で、5月中にも経産省に異議申し立てをする。

 自然エネルギーを推進する市民団体の代表(52)は「地震の発生が多い日本で原子力発電はふさわしくない。失敗が許されない技術はやるべきでない」と原子力政策を批判したうえで、「ただ、反対だけではだめ。別な方法も考えていくべきだ」とした。

 一方で、原子力エネルギーを推進する声もある。七飯町の男性(77)は「資源のない日本にとって原子力は将来欠かせないエネルギー」とし、同原発の設置許可については「距離が近く、事故が起きた時の不安はあるが、放射能の処理など安全性の保障をしっかりクリアしてもらいたい」と国や電源開発に求める。

 函館市の備前悟経済部長は「設置許可は大きな決定と受け止める。市民の安全確保を図るため、道や関係機関との連携を強化しながら対応していきたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社



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