昭和小児童2人、2年以上も登校時にごみ拾い
update 2008/4/23 13:33
函館昭和小学校(秋元順一校長)の女子児童2人が毎朝、通学路のごみを拾いながら登校している。自主的に始めた取り組みは2年以上続いている。日々拾ってもなくならないたばこの吸い殻や空き缶のポイ捨て―。「大変ではない。卒業まで続けたい」と話し、淡々と“日課”をこなす2人の姿に、地域住民も目を細め、感謝している。
2人は同小5年の野村彩絵さん(11)と藤坪亜紀さん(10)。ごみ拾いは野村さんが2年生の時、「道路が汚い」と感じ、別な友人と一緒に始めた。清掃会社に勤める野村さんの母由実さん(39)は「ごみ処分場の見学に連れて行ったことが影響したのでは」と推測する。その友人は転校し、3年生からは野村さんと登校するようになった藤坪さんも「道路をきれいにしたい」と加わった。ことしで野村さんは4年目、藤坪さんは3年目になる。
ともにバレーボールクラブに入り、登校時は背中にランドセル、肩からスポーツバッグを下げたスタイル。毎朝7時40分ごろ、交通量の多い桐花通を車や自転車に気をつけながら左手にビニール袋、右手に割りばしを持ち、ごみを拾い歩く。多少の雨なら傘を差しながら収集する。
特にたばこの吸い殻が多く、「怖いけど火がついたたばこも足で消して拾う」という。ビニール傘など大きなごみもあり、学校に着くころには袋がいっぱいに。学校で分別してごみ箱に捨てている。野村さんは「ごみはあまり減らない。どうして捨てていくのかな」と首をかしげ、藤坪さんも「こんなにごみが落ちていて驚く」という。
2人とも物静かな性格だが、野村さんの祖母紀子さん(67)は「電車内でメールをしていた女子高生を注意するほど正義感がある。ごみ拾いもやりなさいって言ったことはない」と話す。藤坪さんの母智子さん(38)も「何も言わずにある日割りばしと袋を持って出掛けた。知ってたらもっと誉めたのに」という。2人の活動を知った近所の中野有隆さん(74)も「子供にごみを拾わせて大人が何もしないのは恥ずかしい。この取り組みが地域全体に広がるよう昭和町会にも働き掛けたい」としている。
提供 - 函館新聞社
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