イカ釣り漁船からエンジン部品盗難で自衛策強化

update 2008/4/23 13:31

 函館市海岸町の船だまりに停泊中の中型イカ釣り漁船(121トン)1隻から、エンジンの部品が盗まれる事件が発生した。被害に遭ったのは、エンジンを動かすための「ガバナー」と呼ばれる調速機で、船底の機関室から工具を使って取り外したとみられる。5月中旬の遠洋イカ漁の出漁期を間近に控え、同船だまりで準備中の漁業関係者にも困惑が広がっており、北海道遠洋漁業協同組合(竹林勝三郎組合長)の船主らが夜間の見回りなど自衛策を強化している。

 同組合の福井亜代専務理事らによると、盗難が判明したのは20日午前10時ごろ。所有する漁船の確認に訪れた船主が、機関室のエンジンからガバナーが取り外されているのに気付き、函館西署に被害届を提出した。同船は2月の休漁期から停泊中だったが、今月4日に船内を点検した際には異常はなかったという。

 ガバナーは50センチ四方の大きさで、重さは数十キロある。自動車のアクセルに当たり、エンジンを動かすための要の部分。機関室から甲板まで階段を使って1人で持ち運ぶのは困難で、「ロープでつり上げるなどし、複数で持ち運んだのではないか」(福井専務理事)とする。「新品で購入した場合、100万円相当」(同)といい、同組合は船舶の構造に詳しい者が、他のエンジンへの転用か転売などの目的で盗んだとみている。

 中型イカ釣り漁船を使用した遠洋のイカ釣り漁は5月中旬から順次、太平洋や日本海に向けて出漁する。同様の被害が相次ぐと、出漁が困難になる事態も。福井専務理事は「これまでも船室から無線機などが盗まれることはあったが、エンジンの部品が取られるのは聞いたことがない。一日中見張るわけにもいかないが、他の被害を出さないよう見回りを強化したい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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