函館の観光名所やロケ地 9月5−7日に障害者も安心して参加できるツアー

update 2008/4/22 11:11

 障害者や高齢者が健常者と一緒に映画を楽しめるように、オリジナルの字幕と音声ガイドなどを付けた作品を上映する「北海道ユニバーサル上映映画祭」の実行委員会(島信一朗代表)は、9月の第3回映画祭(5―7日、北斗市)に合わせ、障害者でも安心して参加できる函館観光ツアーを企画している。市内の観光名所やロケ地をめぐり、全国でも珍しいユニバーサル上映活動の発信や、“映画の街”函館の魅力を満喫してもらうのが狙い。島代表は「あらゆる環境のユニバーサル化を発信し、誰もが安心して暮らせる社会づくりを広げたい。ツアーもそんな足跡を残せるようなものになれば」と意気込んでいる。

 同映画祭は、聴覚・視覚障害のある人や車いす使用者らのために、手話通訳や要約筆記などの各種サポート環境を整備した上映会。市民有志が実行委を組織し、地元ボランティアの協力を得て2006年から始め、過去2回で延べ1500人が来場した。

 ツアーは、昨年の映画祭の中のシンポジウムで出た提案をきっかけに、実行委が準備を進めてきた。9月5日から2泊3日の日程で、初日は同映画祭の前夜祭参加と函館山からの夜景鑑賞、2日目は映画祭参加、最終日は映画「犬と私の10の約束」の市内ロケ現場をめぐった後に同作品の鑑賞を予定している。

 20日には、実行委メンバーや車いす使用者ら関係者が五稜郭公園など予定コースを実際に移動し、所要時間の確認や利用施設の段差、トイレなどのバリアフリー環境を下見した。

 自身も視覚障害者である島代表(38)は「映画祭はユニバーサル環境普及化の手段の1つ。次は旅行のユニバーサルを実現し、日ごろ旅行をあきらめがちな障害のある人にも無理なく参加してもらい、映画と観光を十分に満喫してほしい」と話している。

 ツアーの売り出しは5月上旬を予定。今後、実行委ではツアーボランティアの募集や研修会も行う計画だ。問い合わせは島代表TEL090・7519・7516。

提供 - 函館新聞社



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