木古内町長選解説・公約に大差なし、流れは現職に
update 2008/4/21 13:11
有権者は町政の継続を選択した。戦いの構図は、現職対現職1期目の助役。一時はともに手を携え町政運営に当たってきたこともあり、福祉の充実や財政再建、産業振興など大森、竹田両氏の主だった公約に大差はなかった。ある町民は「政策にそれほど差がなければ現職でいいのではないか、との流れができた」と指摘する。
ただ、町政に対する姿勢の違いはあった。大森氏は自身を先頭に、職員と町民が「痛み」を分け合ってくれたことで財政再建に活路が見え始めたとした。竹田氏は町民側に軸足を置き、職員の意識改革や住民サービスの徹底などを訴えた。
結果として「竹田氏はまちづくり活動団体などから支持を広げたが、役場職員に浸透できなかった」(町内の企業経営者)との声がある。町民と職員との距離や訴えのバランスを適度に保った大森氏の戦略が功を奏したとも言える。
前回無投票だった町長選は、8年ぶりの選挙戦となった。実力者同士の戦いに、商工会トップが選挙後のしこりを懸念し、街頭演説で「あくまでもこれは選挙上の戦いであって、まちを二分してはならない。古里を良くしようという気持ちで行動(投票)してほしい」と町民に訴える姿があった。
財政難、少子高齢化と人口減、疲弊する地域経済など、町が抱える課題は町民の目に明らか。商店街に閉じたシャッターが目立つまちには、2015年度に地域再生のカンフル剤となる北海道新幹線が走る予定だ。厳しい時代を乗り切って将来へ活路を見いだす営みには、行政と町民の協力関係が欠かせない。3期目を「飛躍の町政」と掲げた大森氏の手腕と真価が問われる。
提供 - 函館新聞社
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