「イカゴロ試験」乙部町と道の主張対立 漁業者が知事に直訴へ
update 2008/4/17 12:19
【乙部】道が乙部町の漁業者によるイカ内臓(イカゴロ)の海中還元試験の中止を求めた問題で、イカゴロを資源として有効活用を訴える乙部町と、廃棄物として海中投入に一定の歯止めが必要とする道の主張が対立している。町は海中還元を認める国の見解に沿った形で廃棄物政策の転換を道に迫る方針。町内の漁業者も23日、道庁の高橋はるみ知事を訪ねて、磯焼けの被害の実態や規制緩和を直接訴える予定だ。
イカゴロの投入をめぐっては2005年、国が「廃棄物の排出ではなく漁業生産のための行為であれば規制は受けない」とし、道と地元が環境への影響を考慮した試験方法を検討するよう求めた。水産庁も06年に海中投入が「廃棄物排出に該当しない」と国会で答弁した。町も4月以降、独自ルートで政府与党に再度見解を求めたが「政府首脳や関係省庁も見解に変更は無く、道の対応を疑問視している」(同町)という。
道は15日、試験中止を求める指導を撤回。許可制だった海中投入を届け出制に改め、これまでの町単位による試験事業を、檜山全域を管轄するひやま漁協中心の本格的事業に格上げすることを支援するなど大幅譲歩した。しかし、「無秩序な投入を避ける歯止めは必要」と慎重姿勢も崩していない。
道町村会長の寺島光一郎乙部町長が3日、道に支庁再編の見直しを求めた際、佐藤俊夫副知事が海中投入を「違法」と明言したことも波紋を広げている。
寺島町長は「漁業者はモラルを持ち、自ら費用負担して試験を行っている。国が適法と認めた試験を道が規制するのは問題。国の見解に従ってイカゴロを“資源”と認め、政策転換を図らなければ不毛な議論を繰り返して漁業者を苦しめるだけだ」と厳しく指摘する。
漁業者は23日、高橋知事、山本邦彦副知事、武内良雄水産林務部長を訪ね、深刻な磯焼けに苦しむ漁業者の実情、道による厳しい規制の改善などを“直訴”する方針だ。
提供 - 函館新聞社
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