道南でも天引き始まる…後期高齢者医療
update 2008/4/16 13:43
期高齢者医療制度の保険料の年金からの天引き(特別徴収)が15日から全国で始まり、道南でも渡島管内で約4万3000人、檜山管内で約5500人の年金から保険料が引かれた。保険料の算定ミスや保険証の未着などトラブルを抱えたまま1日に始動した同制度は、対象者の不満や将来への不安の声が絶えない。
函館市昭和の82歳の男性は「保険料はいずれ払わなければいけない。でも年金から前もって引かれるとその後の生活のやりくりが大変になる。減額と同じだ」とため息をつく。男性は複数の年金受給者で、徴収する際の優先順位によって天引きされないが、妻が年金から天引きされたケース。道後期高齢者医療広域連合が示した算定方法で、おおよその保険料を把握したが、「制度の周知が不十分。トラブルが起きるのも当たり前」と国の対応を非難する。
今回天引きの対象ではなかったという市内谷内頭町の女性(77)は「高齢者の行き場がなくなるようで将来が不安」と漏らす。
函館市役所の医療助成課では連日、電話や窓口に問い合わせ、相談が相次ぎ、職員9人が対応に追われる。1人当たり50件以上対応することもある。
同課によると、「国保の保険料より高いのはなぜか」「特別徴収開始通知書が届いていない」といった問い合わせが大半で、制度の内容、年金天引きに対する抗議も寄せられている。
後期高齢者医療制度の保険料の特別徴収は年6回の年金支給時の支払いに対し、国保の保険料は年10回に分割して支払うため、1回当たりの支払う保険料が高くなる。「問い合わせ、相談に対してはしっかり説明していくしかない」と同課。制度の撤回を訴える函館地方社会保障推進協議会(堀口信会長)は「生活の支えとなる年金から天引きするべきではない。高齢者をいじめる制度だ」としている。
提供 - 函館新聞社
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