画家・東さん描いたお稚児さんの肖像画をモデルの子にプレゼント

update 2008/4/15 11:54

 函館市の画家東豊司さん(73)が昨秋、湯倉神社(函館市湯川町2)の例大祭で出会った、名前も知らないお稚児さんの肖像画がこのほど、本人の元へ届けられた。「人生の思い出になれば」と張り紙などで絵のモデルを探した結果、家族が名乗り出て再会した。子供や家族は「うれしい」「感激」と喜んでおり、新1年生のモデル2人にとっては思わぬ“新入学プレゼント”となった。

 東さんは西部地区の観光スポットなどを描き、市内で個展を開く傍ら、公的機関などへの寄贈も続けている。

 昨年9月、絵画を寄贈するため同神社を訪れた際、祭りの衣装に身を包んだ子供を見掛け、「今までにないモチーフ」と写真を撮って冬季に自宅で日本画に仕上げた。ところが、作品をプレゼントしようと同神社に問い合わせたところ描いた子供4人のうち、3人が当日の飛び入り参加と判明。名前が分かった1人にはすぐあげたが、残りが誰かは分からなかった。「肖像画は本人か家族が所有すべき」と考えた東さんが付近の掲示板やポスターなどで情報提供を呼び掛けた結果、親類から教えてもらったり、紙を見た子供の家族から連絡を受け、無事渡すことができた。

 絵は縦33センチ、横24センチの大きさ。淡いタッチで子供の表情が愛らしく描かれている。受け取った秦悠菜さん(6)は「自分に似てる。うれしい」と笑顔。母親の智子さん(32)は「まさか絵になると思わず良い記念になった」と大喜びの様子。同じくモデルとなった青山優愛さん(6)も「びっくり。化粧した顔が気に入っている」とうれしそう。母親の純さん(30)は「繊細な絵画に家族皆で感動。東さんに出会えたことに感謝したい」と話していた。

 東さんは「本人に渡せたことで絵も生き延びる。本当に良かった」と話している。

提供 - 函館新聞社



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