日和坂に町民ら看板製作

update 2008/4/10 12:50

 函館市元町と末広町をつなぐ「日和(ひより)坂」には、市が歴史的建造物に指定する古い建物や民家が立ち並ぶ。由緒ある地域の魅力を市民や観光客に広めようと、地域住民有志が建物を紹介する看板を製作し、3日から太郎鮨(同市元町32)横の道路脇に設置した。それぞれが持つ技術と知識を生かして完成した看板を前に住民は「昔懐かしい町並みを残していけたら」と話している。

 看板製作には末広町の化粧品店「末ひろ」の末松静栄さんを中心に、7人の地域住民が携わった。「日和坂は昔の懐かしさを感じる」という西部地区を懐かしむ人や観光客からの声を受け、「今ある日和坂の町並みを残そう」と進められた。

 ヒバの木を使用した看板は縦約60センチ、幅約90センチ。北欧風で温かみのある外観の「高橋病院天使寮」(1928年築)や和風様式の「花かんろ」(21年築)、「相馬邸」(08年築)などの建物をはじめ、アジサイやマツの木なども紹介している。元町のギャラリー「うつわ萩」の志賀玲子さんは6センチ四方の陶板で建物や植物を施し、木材に張り付けた。志賀さんは「赤土と白土を使って、古い日本家屋の雰囲気を表現した」と苦労を語る。建物の名称と建造年を書いたのは、書道暦20年の主婦中川克枝さん。「建物の雰囲気に合わせて、優しい字体を心掛けた」(中川さん)という。

 完成した看板を前に「素晴らしい筆跡をそのまま残したい」と、太郎鮨の三品和年店主はクルミの油できれいな木目とつや出しをした。このほか看板には「坂の上から港を眺め日和を判断してもの」と坂の由来を書き、雨よけのひさしや前面にガラスもはめこんだ。

 「早朝散歩する市民がよく立ち寄っている」と早くも注目を集めている。看板に掲載された「伊賀邸」(34年築)の伊賀喜樹さん(69)は「地域の力で歴史ある町を守っていきたい」と意気込みを語っている。

提供 - 函館新聞社



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