「大沼水質改善研究会」発足
update 2008/4/5 12:12
大沼の自然浄化を目指す「大沼水質改善研究会」(榊清市会長)が発足した。民間非営利団体(NPO)や研究者、乳製品製造会社などが一体となり、農地やゴルフ場への過剰施肥、山林や下水からの栄養物質流出を背景に汚染されている大沼の環境改善に取り組む。2日、函館市地域交流まちづくりセンターで会合を開き、今後の活動の方向性などを確認した。
環境問題などに取り組むNPO法人ソーシャルエージェンシー協議会の会長を務める榊さんが昨年夏に大沼の水が汚れていることを知り、改善したいと各界の関係者に呼び掛けた。大沼の水質を研究する道教育大函館校の田中邦明教授と函館高専の田中孝助教ら研究者、生産者側から函館酪農公社の金子隆会長が参加し、会員11人で発足した。
活動計画は、5月から事前の水質検査を実施し、浄化には酵母や乳酸菌、光合成細菌などの集合体であるEM菌(有用微生物群)を活用する。窒素やリンなどの有機物を分解させようと、汚染源となる物質が大沼に流れ込む数カ所の川に、定期的にEM菌の希釈水などを投入する。
本年度は水質悪化が特に懸念されている赤井川に投入する。管理者や住民の了解を得た上で、6月から実施したい考え。しかし、EM菌は自然環境で増殖することができず、その都度購入しなければならないため、人件費などを除いても約100万円の資金が必要。今後、活動時のボランティアなどと共に寄付金を募る。
榊会長は「わたしを除いて全員が専門家」と会員の顔ぶれに期待。「次の世代に自信と誇りを持てるような大沼にするよう、地元の人と一緒に浄化していこう」と呼び掛けた。田中教授は「農・畜産業が環境を破壊しないわけではない」と周辺産業からの影響を指摘し「環境に優しい産業にできれば」と話した。
会合では、沼の浄化方法について、汚染源から汚染物質出さないようにする必要性が指摘された。金子会長は「生産者がこの取り組みの中でどうしたら良いかを、彼らの意欲をそがないように考えたい」とした。
提供 - 函館新聞社
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