函館海保巡視船「びほろ」が引退

update 2008/3/31 11:24

 道内の領海警備や海難救助で活躍してきた函館海上保安部の巡視船「びほろ」(320トン、24人乗り組み)が老朽化のため34年間の役目を終えた。函館市海岸町の函館港中央ふ頭で30日、解役式が行われ、就役から19代目の嶋村秀人船長(46)ら関係者約40人が別れを惜しんだ。

 「びほろ」は1974年2月に釧路海上保安部で就役し、87年3月から函館海上保安部に配属替えとなった。死者・行方不明者229人を出した93年7月の北海道南西沖地震では、被災者の捜索や救助に貢献。近年は道南海域で密漁者の取り締まりに尽力した。

 総航行距離は約77万5000キロ、海難出動件数は497件に上る。これまでに地球を約19周した計算となり、全長約63・4メートルの船内外に残された無数の傷みが、道内近海でトラブルに遭った船舶96隻、794人を救助した実績を静かに物語っている。

 解役式で代市修函館海保部長が「現場の第一線で活躍してきた『びほろ』の功績をたたえたい」と式辞。乗組員が船首部に書かれた船名をペンキで塗りつぶした後、船に掲げられていた国旗や庁旗が代市部長に返納され、34年余りの歴史に幕を閉じた。

 嶋村船長は「これほど長期間任務に就いた巡視船はないと思う。できればまだ乗っていたかったが、無事故で終えられてまずは船にお疲れさまと言いたい」とねぎらった。後継には、第8管区海上保安本部敦賀海上保安部の巡視船「えちぜん」が配備され、同日付で船名を「びほろ」に変更した。

提供 - 函館新聞社



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