連結財政の厳しさ指摘…市包括外部監査

update 2008/3/29 14:01

 函館市の包括外部監査人、鎌田直善公認会計士は28日、2007年度の監査報告をまとめた。監査概要は(1)函館市の財政状況について(2)生活保護に関する事務の執行等について―の2件。鎌田会計士は「市財政は連結ベースでみると非常に厳しいが、仕事の在り方を見直すことで少人数でも対応できる。生活保護業務は形式的な調査に終わり、就労や自立支援が十分とは言えない」と指摘した。

 08年度決算から各自治体は、普通会計や企業会計のほか、公社や第三セクターなどを含めた連結決算を示すことが求められている。鎌田会計士は連結対象となるほぼすべての会計を06年度決算で把握した。

 市財政の状況は、借金返済のために借金(起債発行)をし、財源不足分を貯金(基金)から賄っていることを指摘。借金と貯金取り崩しをしなければ連結での総合収支は109億円の赤字になるとした。

 市の借金返済額と施設整備で新たにした借金を差し引くと、返済できる余裕は100億円にしかならず、これに109億円の赤字を借金で肩代わりすれば、借金残高(起債発行残高)は減らず、膨らんでいくという監査結果。

 鎌田会計士は「残された道は行財政改革しかなく、今後数年間は100人以上の定年退職者が続くため、人件費が下がるという僥倖(ぎょうこう)と考える。各課の繁忙期はずれており、人員不足でも組織的に職員を出したり借りたりすることで嘱託や臨時職員の採用を抑えることができる」などと方策を述べた。

 生活保護業務については、抽出した89世帯のサンプルから、改善点を列挙した。受給者と親子関係にあり、仕送りなどの協力を求める「重点的扶養能力調査対象者」と面談せず、郵送書面で仕送りなどの意思を確認していたことが分かり、大きな改善の余地があるとした。89世帯のうち、親族などの扶養義務者から仕送りを受けていた保護世帯は7軒だけだった。

 鎌田会計士は「壮年の保護者に対する就労や通院支援に力を入れ、自立を促さなければならない。財政も生活保護受給者も、もう一歩自分の足で歩こうという姿勢が必要」と述べた。。

 包括外部監査の結果を受け、所管部局は業務の改善に取り組む。

提供 - 函館新聞社



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