道新幹線地域づくり懇談会 「戦略、現実性ポイントに」

update 2007/3/18 12:05

 渡島・桧山管内の関係機関で構成する「北海道新幹線の開業を活かした地域づくり懇談会」(座長=成田一憲・渡島支庁長)に設置された「観光振興部会」(部会長=鈴木克也・公立はこだて未来大システム情報科学部教授)による検討結果報告書がまとまった。観光振興方策として5本の柱を示すとともに、さまざまな具体策を提案している。成田座長は「実現可能な取り組みから随時手がけ、新幹線開業までには十分な態勢を整えたい」と意欲を見せている。

 報告書は16日に鈴木部会長から成田座長に手渡された。同部会は、新幹線開業に伴う経済効果のうち、もっとも波及効果が期待される観光関連分野を掘り下げる目的で、昨年8月の第2回地域づくり懇談会で設置を決定。学識経験者や観光関連事業者ら17人で構成され、これまで5回にわたり道新幹線開業効果拡大活用検討会議の吉見宏座長らと意見交換を重ねてきた。

 報告書では、道新幹線開業予定の2015年度に向けた「戦略性」や「現実性」にポイントを定め、(1)広域観光への拠点づくりの推進(2)地域連携による広域観光ルートの開発推進(3)観光情報発信力の強化(4)大都市圏市場へのマーケティング活動の強化(5)青森県や北東北との連携による広域観光の推進――の5つの柱を掲げるとともに、それぞれについて想定される取り組みの具体例を示した。

 「広域観光への拠点づくりの推進」では、これまで通り函館を道南観光の拠点と位置づけながら、さらに大沼(七飯町)、松前、江差、奥尻など各地域ごとの特性を打ち出し、体験型観光の創造などで長期的滞在への活路を見いだしていく。

 「地域連携による広域観光ルートの開発推進」では、観光拠点間を結ぶ移動ルートそのものの魅力を発掘してアピールする。例えば函館から二股ラジウム温泉(長万部町)間を国道5号で移動する場合、赤松街道(七飯町)や噴火湾パノラマパーク(八雲町)など、ルート上の観光ポイントを開発し、付加価値を高める。

 「観光情報発信力の強化」では、携帯電話やパソコンなどのモバイルを活用し、リアルタイムで大量の観光情報を発信し、顧客への浸透を図る。また観光客からの多様なニーズを分析し、戦略づくりに役立てる。

 「大都市圏市場へのマーケティング活動の強化」では、道南圏全体での統一PRテーマやキャッチコピーを創出し、継続的に大都市圏でプロモーション事業を展開。首都圏における特産品フェア会場や通信販売のホームページなどと連携した情報発信も視野に入れる。

 また、2010年には東北新幹線が新青森まで延伸されることを踏まえ、「青森県や北東北との連携による広域観光の推進」にも取り組む。特にイベントやフォーラムの共同開催などを通じ、郷土芸能や職人芸などの文化交流の推進に力を入れたいとしている。

提供 - 函館新聞社



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