函館と鉄筋コンクリート造建築テーマに講演
update 2008/3/23 12:54
NPO法人はこだて街なかプロジェクト(山内一男理事長)は22日、函館市内の歴史的建築物の在り方を考えるシンポジウムを市内末広町の地域交流まちづくりセンターで開いた。函館をはじめとする道内の近代建築物についての著作がある北大大学院工学研究科の角幸博教授が「函館と鉄筋コンクリート(RC)造建築」をテーマに講演。度重なる大火を経て、明治、大正、昭和初期にかけて市内で建設された多くのRC造建物を取りあげ、往時の技術力や関係者の英知について解説した。
山内理事長は「函館の文化や歴史を線としてつなげる点となる建物がなくなっている。なんとか建物を語り部として函館の奥行きを広げていきたい」とあいさつした。
講演では、国の重要文化財に指定された東本願寺函館別院や旧丸井今井などの設計施工を手がけた木田保造を中心に、モダン建築の設計で知られる関根要太郎や、学校の不燃化構造の普及を提唱した岡田健蔵、市の課長として大火の復興に尽力した小南武一らの功績や建物を紹介。角教授は当時の図面について「ロマンチックすぎるかも知れないが、それぞれの建築家や技術者の思いが線に表れている」とし、建築史を語る上で欠かせない資料であると述べた。
このうち、1934(昭和9)年の大火後の38年に、木造からRC造の校舎として完成した弥生小について「教室が広く、子どもたちの教育空間として相当考えてつくられている」とし、大火復興都市計画の中でつくられた「記念碑」のひとつであるとした。
結びに「当時の技術は評価されるべきもの。単なる歴史的建物というだけではなく、RC構造や技術そのものを意識して位置付けする必要がある」と語った。
提供 - 函館新聞社
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