地域住まいづくりフォーラム 「町並みの在り方考えて」
update 2007/3/18 12:04
【江差】「地域住まいづくりフォーラム―江差らしい建築の生かし方」(桧山支庁、江差町共催)が17日、江差町のホテルニューえさしで開かれ、参加した檜山管内の建設関係者や住民ら約150人が耳を傾けた。
江差町出身の南谷正巳・函館市シルバー人材センター理事長が「江差ルネッサンス―歴史的建造物・街なみを利用して」をテーマに講演。南谷氏は「江差では『いにしえ街道』の整備だけでなく上町でも町並みの在り方を考えてほしい」と提言。その上で「都市では孤独死が社会問題になっている。江差でも人間関係が希薄化してはいないか。町並みに血が通っていないと感じることがある。江差の再生は住民が主役だ」と呼び掛けた。
パネルディスカッションでは、南谷氏、井端明男氏(日本建築家協会)、辻正勝氏(江差の家づくり協会)、森昌廣氏(江差町建設課)が「古建築を生かした住宅づくり」をテーマに意見交換。
井端氏は「江差では姥神(うばがみ)大神宮渡御祭りで客をもてなすため、2つの大きな8畳間や台所が必要との考え方が根強い。外見だけでなく多彩な家の様式と技術を伝えることも大切」と指摘。辻氏は「江差はかつて『大工の町』と言われたが、後継者をどう育てていくのか課題だ。他地域の人が懐かしさを感じるような、木材で作られた町並みや住宅にこそ江差らしさがある。若い世代にどう伝えていくのかを考えていきたい」と語った。
森氏は「風土に適した町屋、商家、土蔵が江差には数多い。新技術も取り入れながら町全体で江差らしい家造りを考えるべきだ」と述べた。また、南谷氏は「江差では北前船が文化を運んできた。函館の西部地区にも、古い函館が成華を極めた時代が残っている。昔の家は冬、寒い。外観は残して内部は新技術で使いやすく直していくことも必要」と訴えた。
提供 - 函館新聞社
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