障害者雇用推進の函館2企業を道HPで紹介
update 2008/3/18 14:28
障害者雇用の推進を図ろうと、道は本年度から障害者雇用率が法定雇用率1・8%の倍となる3・6%以上の企業の取り組み事例をホームページ(HP)で紹介する事業を始めた。雇用に積極的に取り組む企業の具体例を示すことで、他の事業主の意識高揚や雇用の参考にしてもらうのが狙い。函館市内からは情報通信業の「グローバル・コミュニケーションズ」(富岡町2、笹谷隆社長)と「函館タクシー」(日乃出町22、岩塚晃一社長)が掲載されている。
「特に障害者という意識はない。必要な人材を組織として支え合うのは当然」。グローバル・コミュニケーションズの笹谷社長(41)はいう。
同社はシステム開発やパソコン教室などを実施。従業員45人のうち2人は車いす利用者、1人は足に障害がある。入り口にスロープを設置、トイレは車いすでも利用できるよう改修した。車いす利用者の坂本優子主任業務支援担当(45)と木戸浦康之主任(38)は、共にパソコンのインストラクター講師などを務めている。
坂本さんは以前、電話交換手だったが、障害者団体を通じて2001年に転職した。「できないことは包み隠さず伝えるので周囲がフォローしてくれる」と話す。00年に入社した木戸浦さんは「障害があると閉じこもりがちになるが、一歩を踏み出し外へ出る環境を作ってみては」とする。
函館タクシーは総従業員310人中7人が重度を含む身体障害者、うち4人はドライバーだ。昨春トイレをバリアフリーに改修したほか、介護事業なども展開。それぞれの障害特性に応じた配慮を行っている。
乗務員の佐々木勝弘さん(52)は、5年ほど前から下半身の関節などに障害がある。ドライバー歴は29年。運転に直接影響はないが、調子の悪い時や通院時などは勤務時間を調整してもらうという。「具合の悪い時は無理せず休むなど、必要に応じて会社に対応してもらっている」と話す。
障害がある他の乗務員には優先的にAT車を配車するなど、同社はより安全な運行を目指して工夫している。総務部の齋藤博之部長は「病気などで障害を負っても職場を変えるなどして対応。障害の有無にかかわらず、意欲があれば働ける」と説明している。
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厚生労働省によると、07年6月1日現在の全国の民間企業における法定雇用率の達成率は43・8%。政府は雇用率未達成企業のペナルティーとなる納付金徴収を中小企業に拡大することなどを盛り込んだ障害者雇用促進法改正案を国会に提出するなど、対策に乗り出している。
障害者の就業、生活支援機関「函館障がい者就業・生活支援センター すてっぷ」(石川町)の小松健児支援員は「作業効率の低下を心配したり、『めんどくさい』など障害者雇用には先入観があるかもしれないが、ちょっとした工夫や発想の転換で雇用は可能」と話している。
道のHPはhttp://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/rkr/shokaijigyo。
提供 - 函館新聞社
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