夢助、洋楽さん初共演…はこだて寄席

update 2008/3/16 13:07

 函館在往の落語家東家夢助さん(67)と三遊亭洋楽さん(49)の初の共演会「はこだて寄席」(実行委主催)が15日、函館市芸術ホールギャラリーで開かれた。夢助さんはサスペンス物語と、善人男の物語といった人情話を2つ、洋楽さんは幽霊を釣りに行く男のこっけい話を演じ、約200人の観客に伝統芸能の醍醐味(だいごみ)を楽しませた。

 夢助さん側で作る実行委が洋楽さんに声をかけ、初共演が実現。道南落語倶楽部の東家えい生さんの開口一番に続き、夢助さんが登場。一つ目の演目は「鰍沢(かじかざわ)」。一軒家に迷い込んだ旅人が、その家の女から殺されそうになる物語。独特の声でスリルある展開を演じ、観客を引き込んだ。

 続いて洋楽さんが高座に上がった。会場から「待ってました」の声を受けた洋楽さんは「野ざらし」を披露。釣りに出掛けた時に野ざらしになっていた人骨を供養すると、夜に若い女の幽霊が礼を言いに来たという話を聞いた男が、まねをしようと釣りに出掛けた話。男の仕草を愉快に演じ、観客を笑わせた。

 中入り後、再び夢助さんが出演し「井戸の茶碗」でトリを務めた。小判を巡る3人の男が正直な気持ちでぶつかり合う内容。鰍沢とは違った雰囲気の話し方で観客を魅了した。来場していた函館市湯川町の稲田明彦さん(61)は「聞き入ったり、笑ったり落語という芸術の奥深さを味わえた気分」、同市富岡町の荒木雅美さん(70)は「それぞれの個性を楽しめ、まさにプロの共演と感じた。年に1回は共演してほしい」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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