23日映画「ひめゆり」上映、大城実行委員長インタビュー

update 2008/3/11 10:44

 第二次世界大戦末期の沖縄戦で犠牲となった「ひめゆり学徒隊」の生存者の証言を集めたドキュメンタリー映画「ひめゆり」が23日、函館市亀田福祉センター(美原1)で上映される。函館での自主上映は医師や元教師、市民ら約30人で結成した実行委が準備を進めており、16―22日には市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で、ひめゆり平和記念資料館(沖縄)所蔵の資料パネル約30枚を並べたパネル展を開催する。沖縄出身の大城忠委員長(57)=道南勤医協江差診療所所長=に映画への思いなどを聞いた。

 ――なぜ函館で自主上映を企画したのですか。

 きっかけは昨年、沖縄戦の日本軍強制自決削除に関する教科書検定の撤回を求めた11万人が、沖縄で開いた県民大会。米軍基地問題や米兵の少女暴行事件など、沖縄に関して黙っていられない出来事がある時にこの作品を知り、平和に関心のある「函館・映画大好き九条の会」を中心とした人が集まった。沖縄県嘉手納育ちの自分も心が揺らぎ、「何かしなくては」との思いから参加した。

 ――映画の感想は。

 あらためて目の前での人の死、恐怖、死体の腐臭、痛みを感じた。しかし、沖縄で子供のころから戦争の話や映像を見て育った自分も同じように、どんな悲惨な経験も、強烈な記憶も風化する。いかに風化させないか、どう新しい形で教訓を引き継げるかを考えなければならない。生存者は少女時に戦争に巻き込まれており、大人の責任も感じた。

 ――生存者22人の証言は生々しく、貴重ですね。

 出演者の女性たちからは悲愴(ひそう)感だけでなく、明るさや輝きも感じる不思議な映画。今も当時を語れない生存者もいる一方、彼女たちはつらい過去を悩み抜き、乗り切った強さを持っている。自分の戦争生存者へのイメージも変わった。

 ――来場者へ一言。

 作品は反戦映画であると同時に、今を生きる自分たちにとって何が大切かを語る映画。戦争の実態を知ってほしいのはもちろん、沖縄の女性の明るさ、ひたむきさ、強さを見て元気になってほしい。恋人や友人、家族と一緒に来て、鑑賞後、隣にいる人を大切にしようと思ってもらえるとうれしい。


  「ひめゆり」 2006年、2時間10分。柴田昌平監督。映画雑誌「キネマ旬報」で2007年度文化映画ベストテンの第1位にも選ばれた。上映会は午前10時、午後1時の2回で、一般前売り1000円(当日1200円)、中学・高校生500円(当日も)。チケットは松柏堂プレイガイド、市地域交流まちづくりセンターなどで取り扱っている。問い合わせは映画大好き九条の会TEL0138・65・0985。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです