井上前市長が西尾市長提訴へ/名誉棄損、賠償求める

update 2008/3/11 10:44

 前函館市長の井上博司氏(71)が名誉棄損で現市長の西尾正範氏(59)を提訴することが10日、分かった。複数の関係者によると、自身の名誉回復と損害賠償1000万円などを求め、11日に函館地裁に提訴する。井上氏は代理人の弁護士とともに同日、市内で記者会見する予定。

 関係者によると、西尾氏が助役時代と助役退任後に開いた記者会見や、昨年4月の市長選時の演説などで、井上氏の名誉を傷つけたとされる。

 西尾氏は2006年12月、地元情報誌の主宰者と井上市長の関係などを批判し、助役を辞任。辞職後の記者会見で、06年7月20日、認められない有料老人ホーム建設について井上氏が再検討を指示した、と告発した。市長選では対立候補の井上氏を時代劇になぞらえ「悪代官」と称した。

 有料老人ホーム問題は改選前の市議会議会運営委員会の調査で「再検討の指示はなかった」との結論を得ている。ただ、西尾氏当選後に設置された有料老人ホーム問題調査特別委員会では、再検討の指示があったかどうか明確な結論は出ず、審議を終了している。

 選挙戦での「悪代官」発言は、西尾氏も昨年7月の市議会代表・一般質問で認めている。ただ「その後に井上さんは悪い人ではないと述べた」と釈明している。

 西尾氏は昨年4月の市長選挙で約8万9000票を獲得。3選を目指した井上氏に約3万5000票の大差を付けて初当選した。

提供 - 函館新聞社



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