集団暴行死、遺族の母親「一生かけて償いを」

update 2008/3/11 10:43

 「たった一人、暗い公園に置き去りにされ、どんな思いで意識をなくしていったのか。どんなに痛く、苦しくて、悔しかったか。智也の思いを考えるとかわいそうで、私は頭がおかしくなりそうです」。亡くなった佐藤智也君の母親は、起訴された少年4人を前に、一連の公判廷で初めて胸中を明かし、裁判官に厳罰を求めた。

 母親は智也君について「優しくて思いやりがあり、転んでも痛いと言わない我慢強い子だった。小中学校は1日しか休まず、高校では皆勤を目指し、“あの日”まで無遅刻、無欠席で頑張っていた」と証言。「こんなに早く亡くなってしまうのなら、智也のやりたいことをもっとかなえてあげたかった」と早すぎる死を悔やんだ。

 事件発生から半年以上が経過しても遺族の心の傷は癒えない。母親は「月日がたっても現実を受け入られません。でも写真を見れば、智也は死んだんだ、話すこともできないんだと思い、どうしようもなく悲しくなって涙があふれます」とハンカチを手に声を震わせた。

 被告の4少年に対しては「わたしは一生許すことなどできません。殺したいほど憎んでいます」とした上で、「あなたたちはいつか社会復帰するが、智也にはその将来がない。自分が犯した罪を絶対忘れずに一生かけて償い、そして人間の心を取り戻してほしい」と説諭した。

 最後に裁判官に向かって「少年たちの犯した罪は、計り知れないほど大きい。智也の可能性に満ちた未来を無惨にも奪った少年らに殺人罪に値する厳しい刑を科してほしい」と求めた。少年4人は法廷で終始うつむいたまま、母親の悲痛な叫びにじっと耳を傾けていた。

提供 - 函館新聞社



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