五稜郭―木古内 並行在来線の利用調査へ…北海道新幹線

update 2008/3/10 11:34

 2015年度に予定されている北海道新幹線新函館―新青森開業で、JRから経営分離される江差線五稜郭―木古内間(37・8キロ)の将来の在り方を検討するため、地元沿線3市町と道は新年度、地元住民の利用状況調査を実施する。第三セクター方式による鉄道維持の場合とバス路線に転換した場合の需要や収支見通しを示す予定。

 函館市、北斗市、木古内町と道で組織する北海道道南地域並行在来線対策協議会(会長・高橋はるみ知事)が、約1200万円の予算で民間に調査を委託する方針。着工に当たり、地元沿線3市町は並行在来線の経営分離に同意しており、同協議会は着工直後の2005年7月に発足した。

 函館市新幹線対策室によると、調査で五稜郭―木古内間の利用動向を把握し、鉄路存続とバス転換した場合の利用者数や収支見込みを示す。住民がどのような形で利用しているか、乗降客がどのような目的でどの区間を利用したか―などの調査が想定されている。調査結果を踏まえ、開業の3―4年前までに方向性を決める方針。

 開業後の並行在来線の輸送形態について、函館市と木古内町は「現段階では方針を決めていない」が、北斗市は「鉄路の存続を基本として検討を進める」(企画課)との考えを示している。

 整備新幹線開業後の並行在来線は、全国的に地元自治体が第三セクター方式で鉄道路線を維持している。東北新幹線の開業により、旧JR東北本線の盛岡―目時間をIGRいわて銀河鉄道が、目時―八戸間を青い森鉄道が引き継いだ。ただ、経営分離される並行在来線は収益性が低い路線であるため、全国の三セク鉄道の経営状態は厳しい。

 五稜郭―木古内間の利用動向調査は1年かけて実施し、結果を基に協議会の中で将来の在り方を検討していく。

提供 - 函館新聞社



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