車いすの若本直子さんが皆勤賞で函商高を卒業

update 2008/3/2 16:22

 生まれつき両足が不自由なため、車いすで日常生活を送る若本直子さん(18)=函館市高盛町=が1日、函館商業高校(三浦法久校長)を皆勤賞で卒業した。卒業式では皆勤した19人を代表して三浦校長から表彰された若本さん。4月からは市内の企業への就職も決まっており、「高校生活で学んだことを生かし、社会で頑張っていきたい」と意気込んでいる。

 若本さんは小学校、中学校時代を函館養護学校で過ごしたが、「健常者とともに勉強し、幅広い人間関係を築きたい」と普通高校に進学することを決意。2005年、函館商業高校国際経済科に合格した。

 同校は01年に校舎を新築した際にバリアフリー化し、エスカレーターを設置するなどハード面の受け入れ体制は整っていたが、生徒の受け入れはは若本さんが初めて。若本さんは「最初は勉強についていけるか、友達ができるかなど不安があったが、すぐに学校生活に溶け込むことができた」と話す。

 高校生活では数多くの資格を取得するとともに、クラスメートとともにさまざまなイベントに参加。中でも3年時の学園祭ではクラス発表でダンスに挑戦。車いすに乗りながらクラスメートと一緒にステップを踏み、見事に全校18クラス中1位に輝いた。「本当にうれしくて、みんなと一緒泣きじゃくった思い出は一生忘れない」。また、3年間担任だった川上伸哉教諭については「学校生活のことや進路について、個人的な相談ごとまで本当にお世話になった」と感謝する。

 皆勤賞については「夏場は自分でバスに乗って通学していたが、冬場は父親(順吾さん)に毎日送り迎えしてもらい、とても感謝している。社会人になったら自分でお金をためて免許を取り、一日も早く自立を目指したい」と新たな目標を見据える。

 学生生活をあらためて振り返り、語った。「普通高校に進学して本当によかった。困難なことも周りのみんなと協力すればきっと乗り越えられる。後輩の障害者の人たちにもチャレンジしてほしい」

提供 - 函館新聞社



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