函館市磨光小6年生が中空土偶モチーフの巨大版画を卒業制作

update 2008/2/29 11:40

 函館市尾札部町の函館磨光小(加藤正男校長、児童146人)の6年生29人が、地元の著保内野(ちょほないの)遺跡で出土し、国宝に指定された「中空土偶」をモチーフした巨大版画を共同制作した。海や森など郷土の風土や縄文時代の人々の生活風景を盛り込み、特に土偶は模様の細部まで丁寧に表現した。広く地域住民に見てもらおうと、南茅部公民館(川汲1520)1階に展示されている。児童らは「皆で協力して仕上げた。楽しかった」と完成を喜んでいる。

 同小では昨年も6年生が共同版画に取り組んでおり、今回は総合学習で取り上げた土偶にスポットを当て、卒業制作として取り組んだ。学校長の裁量で特色ある授業を行う函館市の独自事業「知恵の予算」を活用。昨年11月ごろから児童でアイデアを出し合って絵の構想を練り、全員で協力して約3週間掛けて彫り上げた。板2枚をつなぎ合わせた縦約180センチ、横約160センチの大きさで、版画を飾る木枠も同小職員の手作り。

 絵柄は、漁や狩りをする縄文人の姿、高床式倉庫など当時の風景を背景にデザイン。手前に大きな草や木を配置し、海が遠くに見えるように遠近感を工夫したほか、鳥やシカなど動物も盛り込んだ。

 中央に大きく配した土偶は全身の模様や顔の部分まで細かく再現し、迫力ある作品に仕上がっている。

 土偶の腹部を担当した佐藤匠君は「丸い模様が細かくて難しかった」、宇野隼斗君は「下半身の線の模様がいっぱいあって大変だった」と説明。堀野未来さんは「紙が大きくて刷るのが大変だった」、伊藤学美さんは「皆で協力すれば大きな版画でも何でもできるんだと思った」と振り返る。

 担任の水野団教諭は「児童全員が作業を分担し、一致団結した様子はすごかった」と話している。同公民館での展示は3月7日まで(土、日曜日は閉館)。同1、2日に市芸術ホール(市内五稜郭町37)で開かれる市児童生徒美術展にも、カラーと白黒で刷った同様の版画2点を出品する予定だ。

提供 - 函館新聞社



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