江差追分の「芽」咲かせよう…2月に初の子供発表会

update 2008/2/27 16:42

 【江差】「民謡の王様」と称賛される江差追分を地元の子供たちに歌い継いでもらおうと、町内の学校や保育園では、後継者育成に向けた多彩な取り組みが行われている。こうした中、江差追分に情熱を傾ける若者や子供たちに発表の舞台を提供して、上達の励みにしてもらおうと、町が初めて主催する「こどもとヤングの江差追分・民謡発表会」が、3月2日午後1時から江差追分会館(中歌町193の3)で開かれることになった。

 発表会は、出場者全員による江差追分の合唱で始まり、昨年の第11回江差追分少年全国大会優勝者の福田光君(厚沢部町)が独唱を披露。続いて五勝手保育園の園児が江差追分の合唱、豊川保育園の子供たちはソーラン節の踊りを発表する。

 町内の追分道場「江差追分かもめ会」に所属する子供たちは「ソーラン節」「道南ナット節」の歌声、女子児童でつくる「Hamanasu(はまなす)会」のメンバーは町指定無形民俗文化財の「江差追分踊り」、尺八愛好家でつくる「竹廣会」の子供たちは尺八の演奏をそれぞれ披露。昨年の第45回記念江差追分全国大会で記念アトラクションに出場した川口美海ちゃん(3)、東美羽音ちゃん(4)らも発表する。

 町内では若年層の民謡離れや少子高齢化に伴う愛好家の減少が進み、「江差追分の本場としての地位が揺らぎかねない」との危機感も強いため、町や江差追分会(会長・濱谷一治町長)は、昨年度から後継者育成や全国大会などの魅力化対策を強化している。

 また、町教委も指導者を町内の小学校に派遣して、児童に江差追分の普及を図っているほか、道立江差高校でも選択授業に江差追分の科目を設けるなど、後継者育成に向けた取り組みが実を結び始めている。同会事務局は「保育園児から中学、高校生を対象にした普及促進事業で、子供たちの『追分の芽』は確実に成長している。発表会が芽を成長させる新たな舞台になれば」としている。発表会は入場無料。問い合わせは同会館TEL0139・52・5555。

提供 - 函館新聞社



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