乙部のタラコ「玉粒」東京でも好評
update 2008/2/23 10:36
【乙部】乙部町商工会(三上岩雄会長)を中心に本格販売を検討している最高級タラコの新商品「玉粒(たまつぶ)」が、東京で開かれた地域特産品の展示商談会「ニッポンいいもの再発見!春2008」(全国商工会連合会主催)で、大勢の食品バイヤーから高い評価を得た。今月下旬にはアラブ首長国連邦(UAE)で開かれる食品見本市での国際デビューを予定しており、本格生産に向けた弾みとなりそうだ。商品開発を担当する同商工会の敦賀正春事務局長(58)に、展示会での手応えと今後の抱負を聞いた。
玉粒の原料は、全国でも数少ない、はえ縄漁で水揚げされたスケトウダラから採卵した最高品質の“釣りタラコ”。着色料や添加物を一切使わず、塩だけで漬け込んだ逸品。5日から8日まで開かれた展示商談会には、全国から数千人の食品バイヤーが参加した。乙部からは商工会職員や加工業者が2日ずつ交代で参加して商品のPRに当たった。
「反響の大きさに驚いた。サンプルやパンフレッがすぐになくなった。説明に追われて2日とも昼食を食べそびれた」と語る敦賀さん。玉粒の価格は120グラムで1500円を予定しているが「昔懐かしいタラコの味が大好評で、5000円でも安いとの声が大半。釣りタラコに高い付加価値があることを感じた。開発に携わる漁業者や加工業者も自信を深めた」。
中国製冷凍ギョーザによる中毒事件の影響もあり、セールスポイントである健康志向にも関心が集中。「無着色のタラコは個体ごとに色合いが違う。サンプルを目の前で開封して違いを実感してもらった。赤く着色したタラコが本物だと思っているバイヤーも多かった」。
乙部産の釣りタラコは、福岡などの道外メーカーに出荷され、最高級の明太子として加工・販売されている。町内の漁業者は原料出荷に徹しているため、高い付加価値を享受できなかった。本道の農水産業に共通する構造的な課題でもある。「乙部には原料のタラコも加工技術もある。産地と加工場が近い方が高品質のまま商品化できる。流通コストの低減にもつながる。漁業者や加工業者の発展がもたらす町内経済への波及効果も大きい」。
会場での高い評価に自信を深める敦賀さんは「乙部ではタラコは身近な食品。そのために高い付加価値や希少性を実感できていなかった。タラコのように地域に埋もれている資源がたくさんあるはず」と語り、タラコに次ぐ新商品の開発にも大きな期待を寄せる。
玉粒は、UAE第2の都市・ドバイで、24日から開かれる国際食品見本市「ガルフード2008」にも出品される。ドバイは巨額のオイルマネーを背景に急速な経済成長を続けており、富裕層を中心に日本食ブームが盛り上がっている。敦賀さんは「世界のセレブが集まるドバイで『玉粒』がどのような評価を受けるのかが楽しみ」と期待を膨らませている。
提供 - 函館新聞社
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