農水省「むらの伝統文化顕彰」で函館だんづけ保存会2位

update 2008/2/22 15:29

 農林水産省は21日、農山漁村の伝統文化の維持、継承などに積極的に取り組む団体などに贈る「第7回むらの伝統文化顕彰」の受賞団体を発表、2位に当たる農水省農村振興局長賞に函館市の市民団体「函館だんづけ保存会」(土谷進会長)が選ばれた。北海道の伝統文化である北海道和種馬(通称・どさんこ)の背中に、大量に荷物を乗せて運ぶ「駄載(だんづけ)技術」など馬文化の実践的な保存、伝承活動が評価された。同顕彰の受賞は道内で初めて。

 同顕彰は、地方の風俗・慣習、芸能などの文化を魅力ある資源として全国に情報発信する目的で2001年度から実施。本年度は全国83団体から応募があり、審査を経て6団体の受賞が決まった。最高賞に当たる農林水産大臣賞は香川県の「肥土山農村歌舞伎保存会」が選ばれた。

 函館だんづけ保存会は、物資運搬や移動など、北海道の開拓を支えたどさんこの駄載技術や馬道具を後世に残そうと、市内でどさんこを飼う人たちが集まり2005年に発足した。現在メンバーは10人。ロープを使った独特の荷積みの仕方や鞍(くら)の作り方など、自らの技術の鍛錬と継承に努めているほか、市営熱帯植物園で一般市民らに鞍作りを披露したり、小学生対象の乗馬体験を行うなどの普及活動にも取り組んでいる。

 農水省によると、駄載技術は以前は本州にもあったが、現在、技術と馬がともに保存されているのは函館方面だけだという。「今後の技術伝承は困難が予想されるが、今ここで保存・継承を行わなければ消えてしまう文化」として活動を高く評価した。

 土谷会長(65)は「活動が認められ大変ありがたい。今後も継承に向け頑張りたい」と話していた。来月12日には東京で表彰式が行われる予定。

提供 - 函館新聞社



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