「マル獄」ブランド人気じわり きょうから長崎屋で作業製品展示即売会

update 2008/2/21 16:15

 函館少年刑務所(中村正春所長、函館市金堀町6)が独自に企画、開発した「マル獄」印の作業製品が若者を中心にひそかに注目を集めている。2006年に誕生した初代「刑務所の前掛け」(1260円)を筆頭に年々関連商品も増え始め、全国各地の刑務所などで受刑者が作る「刑務所作業製品」の中でも屈指の人気ぶりだ。21日から長崎屋函館店(同市美原1)で開かれる展示即売会では“マル獄ブランド”の新商品もお目見えし、同刑務所は広く来場を呼び掛けている。

 「マル獄シリーズ」は同刑務所の法務技官・川村成昭さん(48)が同年、職員がイベントなどで着用する前掛けのデザインとして考案。当初は企業や官公庁からの受注が減る閑散期に、受刑者の作業量を確保する目的もあった。同10月の矯正展で20枚を試作販売したところ、若い女性らから「かわいい」「おしゃれ」などと人気を博し、昨年2月から本格的に販売を始めた。

 濃紺の綿地に、昭和の雰囲気漂う「獄」の白い字体をプリント。周囲には前身の函館徒刑場の開設を表す「創業明治弐年」や、「PRISON(刑務所)」などの文字があしらわれ、斬新で遊び心に富んだデザインに仕上げた。昨年6月の「全国矯正展」(東京・法務省など主催)では、最高賞に次ぐ法務事務次官賞も受賞している。

 函館では、昨年の展示即売会後に人気に火が付き、全国放送のテレビ番組などでも取り上げられるほど。「これまでに約5000枚が売れた函館初の大ヒット商品。生地の裁断、縫製、梱包(こんぽう)に最低3―4日間を要し、1日100枚が限度のため現在は生産が追いつかない状態」と川村さんはうれしい悲鳴を上げる。

 今回は、新たにポケットが付いた前掛けをはじめ、裏地に和柄を使い、小物を入れるのに便利な「小袋」(580円)、折りたたんで収納でき、エコバッグになる「御袋(おふくろ)」(1980円)など計6種類を用意。川村さんは「これまで刑務所製品は年配者向けの商品が多かった。マル獄シリーズが若い世代にもファッション感覚で受け入れられ、受刑者の更生への理解を深めるきっかけになれば」と期待を寄せている。


 刑務所作業製品展示即売会(21―26日/午前10時―午後9時、24日のみ午前9時―午後9時、最終日は午後6時まで)

 全国の刑務所などの受刑者が職業訓練の一環で作った製品を一堂に集め、展示・販売する。矯正協会刑務作業協力事業部(本部・東京)など主催。今回はたんすや書棚など大型家具のほか、みそ、しょうゆ、せっけんなどの日用雑貨品まで約200種類、1300点が並ぶ。「マル獄シリーズ」は展示即売会後も、同刑務所向かいの展示即売場で購入できる。営業時間は午前9時―午後4時(土日、祝日は休み)。問い合わせは同刑務所TEL0138・52・5500。

提供 - 函館新聞社



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