補助犬法改正に函館の盲導犬使用者原さんも期待
update 2008/2/19 14:41
盲導犬や聴導犬、介助犬を使う人の社会参加を進める「身体障害者補助犬法」が昨年11月に改正され、民間企業での受け入れ義務化などが10月からスタートする。函館市で22年間、3頭の盲導犬と暮らしてきた鍼灸(しんきゅう)院経営の原伸夫さん(55)は「今後、補助犬を使う若い人も改正を機にどんどん職場に出てほしい」と話している。
補助犬法は2002年に施行され、国や公共施設、公共交通機関などの同伴利用の受け入れ義務化などを定めた。今回の改正では民間企業(従業員数56人以上の事業所)の受け入れを義務づけたほか、都道府県に専用の相談窓口を設けることとした。
原さんは炭鉱労働者だった30歳の時、夕張での炭鉱事故で失明。1984年から国立函館視力障害センターに鍼灸治療の勉強で通所していた際、知り合いに紹介され、盲導犬との生活を始めた。治療院は87年に開業。盲導犬は初代のルナ号、2代目エリックを経て、現在は3代目ウィングが相棒となり、日常生活を支えている。
盲導犬を使い始めた1980年代は列車やタクシー乗車を拒否されることもあったが、「最近はテレビなどの影響で周囲も理解してくれる。普段からスーパーを利用する盲導犬使用の主婦も『函館は理解が進み、素晴らしい街』と話していた」という。今回の改正については「自家用車での移動が多く、自宅が職場なのであまり関係はないが、これから利用する若者には社会参加のきっかけになるのでは」と期待を込める。
盲動犬は道内で55頭、函館市内で4頭が活躍している。道盲導犬協会(札幌)の和田孝文所長も「改正は訓練事業者や使用者が以前から要望していた内容。補助犬と使用者は2人3脚。十分に理解して暖かく見守って欲しい」と話している。
ウィングを「第二の奥さん」と呼ぶ原さん。「盲導犬に気を遣って静かに歩く人もいるが、逆に信号の色を告げたり、あいさつなどで声を掛けてくれるとありがたい。口笛など犬の集中力を途切れさせることは遠慮してほしい」としている。
提供 - 函館新聞社
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