人情芝居に観客沸く…初春巴港賑
update 2008/2/18 14:42
道南各界の名士が歌舞伎を演じる「初春巴港賑(はつはるともえのにぎわい)」第30回記念公演(実行委、函館市文化・スポーツ振興財団主催)が17日、市民会館大ホールで開かれた。節目を祝う名作「勧進帳〜安宅新関の場〜」では男のロマンを、「番町皿屋敷」は男女の純愛、悲哀といった、それぞれ人情の奥深さが演じられ、満員の来場者から大きな声援や拍手が送られた。
函館の風物詩として親しまれている「初春―」は、行政、経済、文化、医療などで活躍する市民が出演する。始めに口上が行われ、西尾正範市長ら5人が出演。西尾市長は「さまざまな事件がある中、函館は本物の良さをまっとうしていきたい」などと述べ、場内から「頼むぞ」と声援が飛んだ。
続いて「番長皿屋敷」が演じられた。旗本青山播磨と相思相愛だった腰元お菊が、播磨の愛情を試そうと家宝の皿をわざと割ってしまい、自分を信じてもらえなかった播磨がお菊を手打ちにしてしまう物語。播磨がお菊を切り殺してしまう場面に観客はかたずをのんで見入っていた。
続いて行われた恒例の「白浪五人男」では初代実行委員長の田中修市さんらが出演。田中さんは終演後「80歳を超え、歩くのが大変でした」と話した。
最後に歌舞伎十八番の一つ「勧進帳」が演じられた。武蔵坊弁慶役の本間哲さんは、にせの勧進帳を長々と読みあげたり、酒に酔って舞う「延年の舞」で観客を沸かせた。関守の富樫左衛門を演じた今均さんが源義経一行に見せた情けも観客の心を打ち、迫真の演技に盛大な拍手が送られた。
提供 - 函館新聞社
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